現在は本業以外で収入を得るために副業を行う方が増えています。
しかし、未だ副業を禁止している企業も多く「会社にバレないで副業をしたい」といった方も多いです。
会社にバレないで副業を行うことは決して簡単ではありません。バレない確率を上げることは可能ですが、最終的にはバレると考えて行動すべきでしょう。
本記事ではバレないで副業するのが難しい理由や対策方法などを解説しています。最後には「週休4日制」で副業を推進している「ナレッジソサエティ」についても紹介しているため、ぜひご覧ください。
目次
サラリーマンの副業・兼業が注目を浴びている
現在はサラリーマンの副業・兼業が注目を浴びています。国の政策やIT業界の拡大によって人々の働き方が大きく変化しているためです。
ここでは、副業・兼業が注目を浴びている理由や実際に副業を容認している企業の割合などを解説します。
働き方改革の推進
働き方改革とは、以下の3つを柱とした政策です。
・長時間労働の是正
・非正規雇用の待遇改善
・柔軟で働きやすい環境の整備
厚生労働省は働き方改革改革関連法が施行される以前、2018年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定。原則として副業・兼業を認めることが適当である旨を明言したうえで「モデル就業規則」から副業禁止規定を削除しました。
さらに、2020年9月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が改訂されると、同年11月の「モデル就業規則」には副業・兼業規定に関する解説が追記され、企業側に対して従業員の副業・兼業を認めるような働きかけを行っています。
また、長時間労働の是正によって残業代が削減されている点も副業が注目を浴びる理由です。残業代を前提とした家計は戦略の見直しを求められており、本業以外の収入を得る点に着目されました。
参考:「働き方改革」の実現に向けて(厚生労働省HP)
参考:副業・兼業(厚生労働省HP)
参考:副業・兼業の促進に関するガイドライン
参考:モデル就業規則 令和4年 11 月版
IT業界の発展
IT業界の発展も副業が注目を浴びる理由です。
現在はオフィスや特別な設備を必要とせず、パソコン1台で仕事ができる環境となりました。そのため「仕事から帰った後」「休日のみの稼働」といった働き方も十分に可能となっています。
従来の「店舗や専門的な設備が必要」などの条件がなくなったため、多くの人が副業に取り組みやすい環境になったのです。
副業を容認する企業の割合
上述した通り、働き方改革の推進によって、企業が副業を認めるような働きかけが行われています。しかし、実際に副業を容認している企業は決して多くありません。
日本経済団体連合会が2022年7~8月に行ったアンケート調査によれば、従業員の副業を「認めている」と回答した企業は全体の53.1%です。言い換えれば全体の約半数は未だに副業を容認していない結果になります。
また、企業規模が小さくなるほど副業を容認している企業の割合が減少している点にも着目すべきです。一例として、従業員が100人未満で副業を認めている企業は、全体の31.6%のみとなっています。
副業を認める企業の割合は年々増加傾向にありますが、自由に副業ができる世の中とは決して言えないでしょう。
バレないで副業するのが難しい理由
サラリーマンが会社にバレずに副業を行うことは非常に難しいです。隠そうとしても様々な理由から企業内にバレてしまうケースが多いためです。
ここでは、副業が会社にバレる主な理由を5つ解説します。
住民税の金額で副業がバレる
住民税の金額によって副業がバレるケースが多いです。
住民税は一律同額の「均等割」と所得に比例して課される「所得割」で構成されています。つまり、副業によって年間の所得金額が増えると、その分住民税の金額も増える仕組みです。
基本的に住民税は、企業が従業員の給与から天引きして納付を行います。そのため、急激な住民税の増加に気付かれると、副収入があると疑われる原因になるのです。
なお、住民税は前年の所得金額に課税される制度です。例えば2022年に副収入を得た場合、2023年5月に住民税の通知が行われます。
対策:住民税の納付方法を普通徴収にする
住民税の納付方法には「特別徴収」と「普通徴収」があります。
特別徴収とは、会社が給与から住民税を天引きして納付を行う制度です。一方で普通徴収とは、納税者個人が納付手続きを行う制度を指します。
何の手続きもしていない状況であれば、会社員は特別徴収で納付手続きが行われます。
しかし、確定申告書第二表の「住民税に関する事項」欄の「自分で納付」にチェックを入れれば、事業所得や雑所得に係る住民税を普通徴収で納付が可能です。
会社から天引きされる住民税は給与所得の分のみになるため、税額の増加によって副業がバレる可能性を下げられるでしょう。
年末調整で副業バレる
年末調整の手続きで企業に副業がバレる可能性があります。
年末調整の際は企業に対して「基礎控除申告書」の提出が必要です。
そして、基礎控除申告書には「本年中の合計所得金額」の記載を行う欄が存在します。ここには兼業先での給与収入はもちろん、副業での事業所得も記載する必要があります。
本業以外の収入金額を記載して提出したら、当然企業にバレる可能性は高まるでしょう。
実際問題、基礎控除申告書に副業収入を記載しなくても、確定申告によって税金の清算は可能です。しかし、基礎控除申告書は法律に基いた書類であるため、正しい記載を行うべきと言えるでしょう。
また、年末調整は1ヶ所でしか受けられない制度です。会社と兼業先の両方で年末調整をしてしまった場合、重複している旨の連絡が会社に来る場合があるため注意が必要です。
社会保険料で副業がバレる
副業収入がパートやアルバイトなどの給与所得である場合は、社会保険の手続きによって企業にバレる可能性があります。
2ヶ所以上の事務所で社会保険に加入すると、会社を経由したうえで「二以上事業所勤務届」の提出が必要となるためです。
ただし、社会保険の加入条件は「勤務時間」や「見込み雇用期間」などによって決まるため、両方の会社で社会保険の加入が義務付けられる可能性は低いです。
そのため、副業先で任意の社会保険に加入しないことが大切です。
噂話から副業バレる
従業員の1人に副業がバレてしまい、噂話から広がってしまう可能性もあります。
信頼できる人であっても、いつ口を滑らすか分かりません。1人に知られてしまったら企業全体に知られる可能性があるという意識を持ちましょう。
また、SNSでの副業関連の取組みによってバレるケースもあります。具体的には副業の情報収集や情報発信などです。
対策:副業の情報を外部に漏らさない
副業を隠したいと考えたら、どんなに仲が良い方であっても事業について話すことは避けましょう。副業で利益が出ると誰かに話したくなる方もいますが、我慢が大切です。
また、副業に関する情報収集・情報発信は、副業専用のアカウントを作成しましょう。副業専用のアカウントを本名にしてしまうと、検索からバレてしまう可能性があるため注意が必要です。
本人が特定できる情報を発信する際は、クライアントと本人間のみでやりとりを行うことも大切です。
副業がバレないための対策でよくある間違い
ネット上の書き込みなどで「○○すれば副業はバレない」と断定的に記載されているケースも散見されます。しかし実際は、必ず副業がバレないということはありません。
確かにバレる確率を下げられる手段もありますが、それぞれデメリットや危険性も存在するため注意が必要です。
現金手渡しのアルバイトであれば副業がバレない?
単発のアルバイトや現金手渡しの職場であっても副業がバレる可能性は十分にあります。
給与支払者が「給与支払報告書」を作成し市区町村に提出した場合、本業の所得と合わせた住民税の計算が行われるためです。
この場合、住民税の納付書が本業の会社に届き、副業がバレる流れとなります。
また、副業収入はバレなけば良いという発想は所得隠しに繋がる傾向があります。少額の所得であっても、原則として全ての所得について申告手続きを行いましょう。
住民税を特別徴収ではなく普通徴収にすれば副業はバレない?
住民税を特別徴収ではなく普通徴収に切り替える場合、確定申告を行った事業所得および雑所得であればバレる可能性を下げられます。
しかし、兼業による給与所得の住民税を隠すために普通徴収にする場合、副業がバレる可能性が高いです。
事業所得および雑所得の住民税であれば確定申告によって普通徴収に切り替えができますが、兼業の場合は企業を通して地方自治体に届出を出す必要があるためです。
企業目線で考えると、面倒な納税手続きをメリットなく普通徴収に変える人はいないと考えられています。会社側からは普通徴収に変更した時点で副業の疑いをかけられることはほぼ間違いないでしょう。
確定申告をしなければ副業はバレない?
確定申告をしなければ副業を知られることはないと考える方もいますが、大変危険な考えです。
確定申告とは、1年間の所得をまとめたうえで税金を計算し、税務署に納めるべき納税額を報告する手続きです。年間の副業所得が20万円以下などの一定の場合を除いて、副業所得がある場合は必ず必要な手続きとなります。
ただし、副業の所得が20万円以下であっても、申告をした方が得なケースがあります。具体的には申告した結果還付になる場合や、損益通算ができる場合などです。
また、確定申告をしない場合も、住民税の申告手続きは必要である点に留意しましょう。
もし無申告であると税務署にバレた場合は、延滞税や追徴課税が課されます。様々な責任を負う必要があるため、会社にもバレるケースが非常に多いです。
申告をしないことで課される罰則
所得税の申告がないと税務署にバレた場合、本来支払うべき所得税はもちろん、延滞税や無申告加算税も課されます。
延滞税:法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じた利息に相当する税金
無申告加算税:適正な申告手続きを行わなかった罰則の側面を持つ税金
さらに、悪質と判断された場合は強制調査や刑事責任の追及を受ける場合があります。単に会社にバレるよりも重い責任を課されることになるでしょう。
収入を得るために副業をしているにも関わらず、余計な税金を払っていては本末転倒です。確定申告の義務がある場合は、確実に申告手続きを行うことが大切です。
参考:No.9205 延滞税について
参考:No.2024 確定申告を忘れたとき
必ずバレない副業はない
上述したように、副業は様々な要因から会社にバレる可能性があります。中・長期的に副業を行うと考えると、何かの拍子でバレてしまう可能性が高いでしょう。
詳しくは後述しますが、副業がバレると減給や懲戒処分といった重い罰則が課される可能性があります。
そのため、会社に隠れて副業を行うのではなく、会社員として正々堂々と副業に取り組める環境に身を置くことをおすすめします。
サラリーマンの副業は違法?
サラリーマンが副業をバレずに続けることは非常に難しいです。そのため、副業を始める以上は勤務先に知られることを前提に計画を行う必要があります。
そして、サラリーマンの中には副業に厳しい制限があるケースがあります。
ここでは公務員と会社員に分けて解説をします。
公務員の副業には厳しい制限がある
公務員の副業は原則として禁止されています。
【副業禁止の法的根拠】
国家公務員法 信用失墜行為の禁止(第99条)
国家公務員法 守秘義務(第100条)
国家公務員法 職務専念義務(101条)
地方公務員法 営利企業等の従事制限(第38条)
また、副業に許可が出る場合の基準も厳しい規制があります。
【副業に許可が出る基準】
職務に関連して利害関係が生じない
職務遂行に影響が出ない
信頼性確保に支障が出ない
これらに違反しない副業でも許可を取らない場合は厳しく処分がされるため注意が必要です。
そのため、自己資産の運用が副業的な側面となりますが、不動産業などでも人事院規則で制限があるので副業・兼業を検討する場合は各自治体に確実に確認してください。
なお、近年は副業を推進するような地方自治体も現れているようです。
あくまでも公益性の高い事業に参画する場合に報酬を受け取れるような制度ですが、今後は人材交流の観点からも、民間企業等での兼業や個人事業主の人材の輩出をできる制度が作られる可能性もあるでしょう。
参考:公務員の〝副業解禁〟自治体にもジワリ 神戸市、奈良・生駒市で基準明確化
参考:鹿沼市 市職員の農業副業解禁へ 農家の深刻な人手不足支援
サラリーマン(会社員)の副業は違法ではない
一方で会社員は原則として副業が可能です。むしろ、正当な理由なく副業を禁止することが法的には認められません。
厚生労働省がまとめた「副業・兼業の促進に関するガイドライン わかりやすい解説」では、裁判例を踏まえて原則、副業・兼業を認める方向が適当とされています。
そして、副業・兼業を禁止、一律許可制にしている企業は自社での業務に支障をもたらすかを今一度精査し特段の事情がない場合、労働時間外は労働者の希望に応じて副業・兼業を認める方向で検討すべきとされています。
参考:副業・兼業の促進に関するガイドライン わかりやすい解説
副業・兼業を制限できる場合もある
ただし、下記の場合には副業・兼業を制限できるため、副業・兼業を行う場合は会社とのコミュニケーションを図ることが重要と言えます。
・長時間労働等によって労務提供上の支障がある場合
・業務上の秘密が漏洩する場合
・競業により自社の正当な利益を害する場合
・自社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
実際、副業・兼業に関する判例では、上記4点のいずれかに当てはまる場合は例外的に、労働者の副業・兼業を禁止もしくは制限できます。
これらの要件に当てはまるにも関わらず副業を行い、会社にバレた場合は懲戒処分などの原因にもなるため注意が必要です。
会社員が副業を行う際の選択肢
上述した通り、副業を行う場合は会社に知られることを前提に準備すべきです。そのような際に取るべき選択肢は以下の2つのいずれかです。
副業・兼業の許可をもらう
先述した通りサラリーマンの副業・兼業は決して違法ではありません。
企業から副業・兼業の許可を貰えれば、隠すことなく堂々と副業ができます。むしろ、バレた際のことを考えると必ず会社に報告すべきと言えるでしょう。
しかし現実問題として、企業の約半数は副業を容認していません。今の環境のまま副業を始めることが難しい方も非常に多いでしょう。
副業を始める場合、就業規則の確認や上層部への相談を行うことが大切です。そこで許可が下りなければ、企業の判断が適切かを検討しましょう。
副業・兼業を推進している会社に転職する
上述した通り、企業の約半数は副業・兼業を容認していません。
自身の勤務先で副業が禁止されているにも関わらず、どうしても副業・兼業にチャレンジしたい場合、副業・兼業を容認している企業に転職する手も選択肢となります。
株式会社ナレッジソサエティでは副業や兼業を認めていますが、他に副業ができる企業をリサーチしてまとめました。ご興味がある方は以下の記事もご覧ください。
副業・兼業する目的を再確認する
最後に副業・兼業にチャレンジする理由を再確認しましょう。
「収入不足を一時的に補うために隙間時間で稼げる仕事をしたい」
「キャリアアップや転職のために期間限定の社外プロジェクトに参加してみたい」
「将来的に独立を考えていて会社員として働きながら少しずつ起業準備をしたい」
ちなみにナレッジソサエティが2021年5月に実施した調査では、副業をしている方の6割近くが「収入の不足を補うため」と回答しています。
参考:副業の理由は「収入不足を補うため」副業に関するアンケート調査報告【2021年5月度】
収入不足を一時的に補うのであれば隙間時間のアルバイトや、ライティングやデザインなどのスキルを活かしたクラウドソーシングでの副業もありでしょう。
キャリアアップや転職のためであれば、今の仕事を一生懸命に取り組むことはもちろん、社内外の人間関係を充実させ、単発のプロジェクトなどに声をかけてもらうための努力も必要でしょう。
将来的な独立を考えている場合、会社員として働きながらどれだけ準備を進められるかが大きな鍵になります。
一言で「副業・兼業」と言っても、目的によって取り組むべき内容が変わるため、自身の将来像の明確化が重要です。
週休4日制の会社で副業を行う選択肢│ナレッジソサエティとは
将来的な独立を考えたうえでの副業・兼業は、週5日勤務が前提の職場ではなかなか準備が難しいでしょう。
たとえ残業時間がゼロだとしても、仕事帰りに起業準備に取り組むのは簡単でありません。週2日の休日で身体を休めずに起業準備を進めて本業に迷惑をかけたら本末転倒です。
実際には副業・兼業が許可されていても、時間的な余裕がなく一歩目を踏み出せないケースも多いです。
そこで、バーチャルオフィスやシェアオフィス、レンタルオフィスを提供している「株式会社ナレッジソサエティ」では、将来的に起業したいという希望を持つ方を応援すべく、週休4日制の起業家正社員®という求人を用意しています。
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また、週休3日制の求人がある企業をまとめた記事や、実際に働いた感想を社員にインタビューした記事もありますので、こちらも併せてご覧ください。
週休4日制の起業家正社員®として働いた感想~「ぼんやりとでも起業したいことがあり前に進めたいと考えている人に最適な求人」と語る水野智也~
まとめ
会社員の副業は、隠そうとしても会社にバレる可能性が高いです。会社に隠し続けようとすると、懲戒処分や税制面での罰則を課される可能性があるため、バレることを前提として副業の準備を行うのがおすすめです。
会社にバレることを前提とすると、取るべき行動は以下のいずれかです。
・副業の許可をもらう
・副業を推進している会社に転職する
しかし実際問題、企業を容認していない企業も多く、副業ができない環境な方も多いです。
その場合、副業を推進している会社への転職も検討しましょう。
特に株式会社ナレッジソサエティは週休4日制を導入しています。副業に取り組める時間も他の企業と比較して非常に長いため、より多くの収入を得られる可能性もあるでしょう。
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