さて、前回の「サラリーマンからの脱出には、会社の飲み会に行かない事」いかがでしたでしょうか?
何通か反響を頂きました。「その通り!」という声と、「いやいや一概には…」という反論などもありました。反論の中には、会社の業務からも起業につながる事もある、上司部下など組織内のつながりや難しいことも起業にプラスになる、というお声でした。
私は、サラリーマン時代の経験や実績が無駄になるとは一切思っていません。ただ一つ、お伝えしたかった事は、「いつものルートを外れてみよう」「起業のための時間を作ってみよう」という事でした。
さて、今回もサラリーマンからの脱出の第2弾です。
起業を志した際に、皆さん何から手を付けますか?
起業本を読む、セミナーに参加する、先輩起業家を訪ねる・・・・
色々なアクションがあると思います。
私も、そうでした。「色々と準備をしなくては!」
年上、年下など関係なく、身近な起業家に会いに行き話を聞きました。
起業本や先輩経営者の立志伝など、多数の本を読み漁りました。
ネットメディアも硬軟様々なサイトを、サーフィンしていました。
起業家が登壇するセミナーにも、時間を見てよく通いました。
今回お伝えしたいことは、そういった起業のための「準備」と呼ばれるものは、ほとんど役に立たない!ということです。
え?何がダメなのか。役に立たないのか?
本を読む、セミナーを受ける、ネットメディアを読み漁る、先輩起業家に聞く、、、どれもこれも起業のためには必要な知識だったり、必要なノウハウが知れるのではないか。そうですね、一切無駄だとは言いませんが、起業に向けて前進しているかというと、していない、という言い方が正しいでしょうか。
では、どうして前に進んでいないのか。
大事な点は、「順番が違う」、あるいは「目的と手段が違う」という点です。
私が実体験したので、よく分かるのですが、起業のために行動し始めてからこそ、起業本やセミナー、先輩の話が役に立ってきます。
例えば、具体的にあるマーケットでの新ビジネスを考えていった際に、分からない事があれば本で調べる。自分の事業をPRする方法に困ったから、セミナーの内容だけではなく、セミナーのやり方まで学びに行く。起業のための事業計画書を書いていて煮詰まったから、ネットメディアで先輩の活躍に刺激を受ける。ビジネスプランで具体的に悩んだから、先輩起業家に詳細を具体的に相談する。といった形です。
このように、『行動してからするのが、本当の準備である』
あるいは、『何か具体的に困ってから行うのが、正しい準備である』
と痛感いたしました。
起業を決意して、いろいろ準備をしてからやろう!と思いたくなるのは当然だと思います。今までやったことがない事です。構えたくなることでしょう。上司も先輩も教えてくれない。もちろん指示もされない。そして、起業ですから、どこかの誰かが具体的にやり方を知っているわけでもない。そしてサラリーマンの時には「準備が全て」と教わってきたからこそ、たちが悪い。不安だから、最初から聞きたくなる、調べたくなる、頼りたくなる、のですね。
そして、こうした準備活動は、会社の業務とは関係ないので、一見すると「起業のための準備をしている」というように思えてきます。いや!「準備をしている」と安心してしまうのです。「私は起業に向けて頑張っている」と勘違いしてしまうのです。でも、言わずもがな、それではいつまでたっても起業できないことでしょう。
何も決めない、何も行動しないでする準備は、はっきり言って無駄です。
まずはビジネス構想を紙に書く、つたなくてもビジネスプランをパワーポイントで作ってみる、事業ニーズをリサーチしてみる、などなど、何かを決めてから準備をする。そしてまた行動する、決める、そして準備をする。
これが、私が起業するにあたり、一番引っかかってしまった点でした。これからの皆様には同じ轍を踏まないように、との想いと自分が費やした「無駄な準備」への自戒を込めて。
原 佳弘