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起業前に勉強すべき5つの知識│勉強方法やおすすめの本、起業手続きの流れなども解説

[投稿日]2020/03/30 / [最終更新日]2024/11/26

起業前に勉強すべき5つの知識│勉強方法やおすすめの本、起業手続きの流れなども解説

起業を目指す際は、事前に必要な知識を勉強することが大切です。

企業の生存率が20年後で約50%である旨を考えると、起業での成功は決して簡単ではないと分かります。

企業運営で必要な知識を事前に勉強し、競合他社よりも有利にビジネスを展開することが重要となります。

しかし、起業に関する知識を網羅的に学習すべきとはいえません。

事業を実際に経験してスキルアップに繋がる例も数多くあるため、起業前に勉強すべき知識や身に付けるべき能力、ビジネスを経験しながら習得すべき知識を明確にして、効率良く勉強を進めましょう。

本記事では、起業前に勉強すべき知識や勉強方法、おすすめの本などを解説しています。

最後には、起業時に必要な法的手続きについても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

起業前に勉強すべき5つの知識

起業前に勉強しておけば円滑に事業運営を進められる知識があります。

事業内容によっては他にも勉強すべき項目がありますが、以下の5つは全ての業界で共通して必要な知識となっています。

実際に事業運営を経験しながら習得できる知識も数多くありますが、これらの知識は事前に押さえておきましょう。

ビジネスモデル

ビジネスモデルとは、事業で利益を生み出すための仕組みを指します。

事業を始めるにおいて、ビジネスモデルの決定は必須です。

そのためにも、既存の成功しているビジネスモデルの勉強が重要となります。

実際に参入業界で成功している企業がどのようなビジネスモデルを採用しているのかを分析・把握し、自身の事業内容の参考にしましょう。

中には「独自性を出すために他社にはない全く新しいビジネスモデルを作る」と考える方もいますが、多数のビジネスモデルが存在する昨今において、全く新しいアイデアを生み出すことは非常に難しいです。

また、存在しないビジネスモデルは「どこかに穴があるから今まで採用されていない」といった可能性もあるでしょう。

そのため、まずは既存のビジネスモデルをベースとして、その中に自社の強みを組み込み、差別化を図る流れがおすすめです。

ビジネスモデルの作り方や代表例などについては、以下の記事で詳細に解説しています。

どのような事業を始めるにしても、ビジネスモデルが曖昧だとその後の方針が決まらないため、優先的に勉強・決定しましょう。

起業・創業で構築するビジネスモデルとは?作り方や例、メリットをわかりやすく解説

経営者としてのマインド

起業とは、自分で事業を立ち上げて経営者となり、組織を運営して利益をあげることを指します。

組織の一員である会社員と、事業を運営する経営者では必要な考え方やマインドが大きく異なります。

例えば「仕事ができれば良い経営者」とは一概にいえません。

経営者は企業全体や競合他社、顧客、経済といった幅広い視点を持って物事を決断する必要があります。

加えて、経理・法律といった事業内容以外の範囲の知識も一通り必要です。

また、従業員や投資家といった利害関係者に対する責任も負うため「良い経営者とは何か」「従業員の上に立つ者として何が必要か」といったマインドセットを勉強しましょう。

企業の経営方法

起業した会社を安定的に運営するには、会社経営の知識に関わる勉強が必要です。

経営に関する知識が乏しいまま事業を始めてしまうと、事業を存続していくうえで意思決定や運営方針の確率が難しくなる恐れが生じます。

会社の経営方法に関する代表的な知識として、以下の3つが挙げられます。

・財務管理
・経営戦略
・従業員管理

まずは優先的にこれらの内容を勉強しましょう。

人脈の活用方法

人脈の構築方法や活用方法についての勉強も重要です。

会社経営をはじめ、1人で完結する仕事は世の中にありません。

個人事業主や一人親方であっても同様です。

立ち上げたビジネスを拡大し、成功に導くためには人脈の構築・活用が不可欠となります。

人脈が広ければ広いほど、ビジネスチャンスが広がるといっても過言ではありません。

起業直後は、人脈を通じて取引が決まるケースが多々あります。

また、自分の会社が有する範囲はある程度決まっていますが、人脈を活用して範囲外にある仕事を請け負えば、事業の幅を広げることも可能です。

全く異なる業種の人脈でも予想外のビジネスアイデアが生まれるケースもあるため、範囲を限定せず幅広い人脈を築きましょう。

集客・マーケティング

どんなに質の高い商品・サービスを作っても、顧客を獲得できなければ利益は生まれません。

集客やマーケティングを通じて顧客を獲得して、初めて売上を得られます。

近年は、SNSやWebサイトを使った集客・マーケティング手法が注目を浴びています。

インターネットの発達によって手法もアップデートされているため、情報の最新性を意識した勉強が大切です。

また、インターネットを使わずに、人脈やチラシなどを用いて商品・サービスを広める方法もあります。

適した集客・マーケティング手法は事業内容やターゲットによっても異なるため「最も効用の高い集客方法は何か」を意識して勉強を進めましょう。

起業前に身に付けるべき3つの能力

起業前に習得すべき知識に加えて、身に付けるべき能力も存在します。

特に以下の3つの能力については、業種に関わらず幅広いケースで重要です。

人脈の構築や起業直後の集客、取引先の確保がしやすくなるため、積極的に習得しましょう。

営業力

事業の成功で必須ともいえる能力が営業力です。

一般的に営業とは、商品やサービスを消費者に購入させるための取組みを指します。

つまり、一言でいえば商品やサービスを売る力です。

また実際のビジネスでは、以下の取組みも営業活動に含まれます。

・潜在顧客の掘り起こし
・見込み顧客へのアピール
・既存顧客へのアフターフォロー

そのため営業を行ううえでは、商品やサービス内容の適切な理解だけではなく、消費者のニーズや価値観についても深く把握しなければなりません。

営業力は人間力やコミュニケーション能力、調査能力、知識などの幅広いスキルを総合した能力であるため、基本的には実務を通じて身に付けられるものです。

しかし、起業前に営業力の基礎を身に付けておけば、いち早く顧客や取引先の獲得が可能となります。

また、起業前に営業力を磨ければ、必然的に自社の商品のアピールポイントや潜在顧客層の把握、アフターフォローの内容の明確化にも繋がるため、事業内容のブラッシュアップにも貢献するでしょう。

プレゼンテーション能力

営業力にも共通する要素ですが、プレゼンテーション能力も起業の成功に必要な能力です。

いかに優れた商品・サービスであっても、プレゼンや提案を上手に行えなければ、消費者の心を掴むことは難しいです。

プレゼンテーション能力は、自社の商品の魅力を伝えられる構成作りに加えて、話のトーンやテンポ、間なども重要となります。

場数を踏むだけでは身に付きづらい要素も多いため、書籍や動画などを通じてテクニックを覚えて、プレゼンテーション能力を高めましょう。

また、プレゼンテーション能力の高い人が行うプレゼンを参考にすることもおすすめです。

情報発信力

情報発信能力も事業の成功を大きく左右する要因となっています。

現代は、商品・サービスの購入前に自身で情報を収集して採用するか否かを決定する方が多いです。

消費行動において情報が重視される現代では「会社としてどのような情報を発信するのか」が問われるようになっています。

発信する内容は当然ですが、発信場所を選ぶ能力も重要です。

情報の発信場所は、SNSや自社サイトなどがあります。

また、一言でSNSといってもTwitterやInstagram、YouTubeなど様々です。

各プラットフォームで特徴や利用者層が異なるため、自社の商品やターゲットにマッチした選択を行いましょう。

起業前に明確にすべき4つの事柄

また、起業前に明確にするべき要因もあります。

これらが曖昧なままだとそもそも事業を始められないため、各要素を勉強して起業準備の段階で明確化を行いましょう。

ここでは、起業前に明確にすべき4つの事柄を紹介します。

起業の目的・目標

起業の目的や目標を明確にしなければ、事業運営の指針が曖昧になります。

「現在存在する問題を解決したい」
「自由な働き方を実現したい」
「経済的に成功を遂げたい」

など、起業の目的や目標を明確にしてから、他の起業準備に移りましょう。

起業の目標や目的は、事業計画を決定する際やトラブルが起きた際、転機が訪れた際の指針となります。

「自分は本当に起業をすべきか」を確認できるタイミングともなるでしょう。

起業アイデア・事業計画

起業アイデアや事業計画も必ず明確にすべき事柄です。

起業に興味があっても約4人に1人は起業アイデアがないため行動に移せないというデータもあります。

反対に、起業アイデアが明確になれば、その後にすべきことも明確になるため「どの分野で起業をするか」を考えましょう。

起業アイデアの見つけ方や例については以下の記事で詳細に解説しています。

起業アイデアおすすめ15選|出し方・考え方や成功例も解説【ひとり起業可能】

また、起業アイデアが明確になったら、綿密な事業計画を作成しましょう。

事業計画の作成では、起業アイデアを基に詳細な資金計画や販売戦略などを決定していきます。

最終的に、決定した事業計画の財務計画でシミュレーションを繰り返して、本当に成功できる見込みがある事業かを判断しましょう。

事業計画書の項目や作成方法などについては以下の記事で詳細に解説しているため、ぜひご覧ください。

起業時に作成する事業計画書とは~書き方や目的フォーマットをわかりやすく紹介~

資金調達方法

現在は最低資本金制度の撤廃などから、小資金でも起業ができる環境となっています。

しかし、当面の運転資金などを考えると、資金調達が必要となるケースも多いです。

一言で資金調達方法といっても、以下のように様々です。

・融資
・出資
・補助金および助成金
・自己資金
・クラウドファンディング など

各資金調達方法によってメリット・デメリットなどが異なるため、自身の事業内容に最も適した手段は何かを検討しましょう。

各資金調達方法の特徴や資金調達のポイントなどについては、以下の記事で詳細に解説しています。

起業時の主な資金調達方法│特徴やメリット・デメリット、成功のポイントをわかりやすく解説

起業の形態

起業の形態は、大きく「個人事業主」と「法人」に分けられます。

基本的には、以下のような理由から個人事業主としての起業がおすすめです。

・費用を抑えて開業できる
・必要な手続きが少ない
・所得が少ない場合は税負担を抑えられる

事業が軌道に乗ったタイミングで法人成りする選択肢もあるため、まずは比較的容易に始められる個人事業主としての開業を検討しましょう。

しかし、個人事業主には以下のようなデメリットも存在します。

・社会的信用力が低い
・所得が増えると税負担が重くなる

これらがネックになる場合は、法人での起業も視野に入れるとよいでしょう。

個人事業主については以下の記事で詳細に解説しているため、起業形態で悩んでいる方は参考にしてください。

個人事業主とは│定義や法人との違い、メリット・デメリットなどを徹底解説

また、会社員の副業で事業を始める選択肢もあります。

副業で事業を始めると、以下のようなメリットが生じます。

・給与所得も同時に得られるため、資金面のリスクを抑えられる
・自分が起業に向いているかを判断できる
・事業が軌道に乗ってから独立できる

現在は、夜間や週末だけの稼働でも十分に利益を出せる事業内容が多いため、おすすめの起業形態の1つです。

ただし、初期資金を要する大規模な事業内容には不向きである点に留意してください。

副業に向いている事業アイデアやメリット・デメリットなどは、以下の記事で詳細に解説しています。

おすすめの副業アイデア10選|アイデアの出し方や注意点、必要な準備も解説

起業前に準備すべき2つの資産

ここでは起業前に準備すべき2つの資産を紹介しています。

起業前の勉強の話とは離れますが、これらの資産を準備できれば事業運営をより有利に進められるため、参考にしてください。

自己資金

十分な自己資金を準備すれば、事業の安定性の向上やリスクの減少に繋がります。

起業時の資金調達で融資を選択する方は多いですが、大規模な融資を行うと以下のようなデメリットが生じます。

・月々の返済が増えるため資金繰りが圧迫される
・事業に失敗した際に負債が残る

そこで、十分な自己資金を準備すれば融資の金額を抑えられ、資金繰りの良好化や失敗時の負債のリスクを抑えられます。

また、当面の運転資金や生活費も多めに確保できるため、長期間の赤字にも耐えられ、より多くのチャンスを得られる点もポイントです。

必要な初期資金を鑑みて、独立前から十分な初期資金を準備しましょう。

人脈

上述したように、人脈を有効活用すれば事業運営を有利に進められます。

現在はインターネットの発達もあり、比較的簡単に起業家や起業準備中の方と出会うことができます。

【主な人脈の構築方法の例】
起業家セミナーへの参加
起業家の交流会への参加
ビジネススクールの活用 など

人脈形成をスムーズに行うためにも、名刺やホームページを事前に作るとよいでしょう。

最低限の勉強で問題ない知識とは

一方で、最低限の勉強で問題ない知識も存在します。

中には事業運営において必須の知識もありますが、実際の事業運営を経験しながら習得しても遅くはありません。

これらの知識の習得には時間をかけずに、積極的に事業運営に携わる意識を持ちましょう。

ここでは、最低限の勉強で問題ない知識を解説します。

税金・経理の知識

起業準備を進めるうえで、納めるべき税金や必要な手続きといった基礎的な知識は必須です。

しかし、詳細な経理業務や確定申告の方法は、事業を実際に経験しながら習得する方が効率的といえるでしょう。

起業前の段階では、基礎的な仕訳や決算書の読み方を理解できていれば十分です。

また将来的に事業規模を拡大したい場合、難しい会計業務は税理士や会計士への依頼も可能です。

一方で、フリーランスや個人事業主の場合は自分で会計業務を進めることが多いため、事業の実態に合わせてどの程度の知識まで必要となるかを判断しましょう。

法律関係の知識

法律関係の知識についても、会社法や労働基準法などの基礎部分の知識を勉強すれば十分です。

法律関係の知識は深堀するとキリがなく、全てを習得しようとするといつまでも起業に踏み切れなくなります。

実務的な法律については弁護士や司法書士に相談しながら進められるため、大きな問題とはなりません。

各種手続きが必要となった際に関連する法律を確認する形で、事業を進めながら徐々に知識を深めていきましょう。

必須ではない資格取得のための知識

一部の業種を除いて、起業には資格の所持が必要ではありません。

そのため、必須ではない資格取得のために起業準備を長引かせるのではなく、スピード感を持って起業に着手することがおすすめです。

簿記や社労士といった事業が有利に進む資格もありますが、最終目的は資格取得ではなくスキルの習得である点を念頭に置きましょう。

もちろん、起業まで時間がある方は役立つ資格を吟味したうえで取得することも有効です。

起業や独立に役立つ資格については、以下の記事で詳細に解説しているため、ぜひご覧ください。

起業・独立に役立つ資格9選|業界別おすすめ資格や取得のメリット・注意点も解説

 

起業についてのおすすめの勉強方法

起業についての知識を勉強するための方法は様々です。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分に適した方法を選択、もしくは組み合わせて活用してください。

ここでは起業についてのおすすめの勉強方法を解説します。

本・ネットで独学

本やネットを使って独学で勉強する最大のメリットは、時間や場所に囚われず、自分のペースで学習を進められる点です。

また、書籍代を除くと費用はかからず、数多くの教材から自分に合ったものを選択できます。

ただし、不明点が生じた際に質問できる相手がいないため、学習に躓いた際に自分で調べて解決する能力が必要です。

起業について勉強できるおすすめの本については詳しく後述しています。

セミナーへの参加

現在は様々なセミナー掲載サイトが存在するため、簡単に自分に合ったセミナーを選択可能です。

また、オンラインセミナーも増えているため、地方からでも参加しやすいセミナーも多いです。

本では得られない実用的な知識を勉強できるケースも多く、人脈の形成をしやすい点も魅力といえます。

ただし、中には詐欺的なセミナーや有用性が低いセミナーも存在するため、主催者の実績や口コミを確認したうえで参加することが大切です。

以下の記事では、起業時にセミナーの活用を検討している方向けに、選び方やおすすめのセミナー、セミナーの見つけ方などを解説しているため、ぜひご覧ください。

起業に役立つセミナー10選|選び方や怪しいセミナーの特徴も解説【東京・オンライン】

ビジネススクールの活用

ビジネススクールとは経済学や会計学といったビジネスの知識やスキルを学べる教育機関を指します。

日本においては、経営学修士の意味合いを持っており、終了するとMBAを取得できます。

通常は2年以上の長期的な期間通うこととなり、幅広く深い知識を習得可能です。

起業を志す方が集まっているため、人脈の構築も容易であるでしょう。

しかし、上記の2種類の勉強方法と比較して高額な費用を要します。

費用を気にせずに長期的な計画で勉強を進めたい方は検討してください。

起業時のビジネススクールの活用については以下の記事で詳細に解説しているため、ぜひご覧ください。

起業に向けてビジネススクールは通うべきか?通学のメリット・デメリットと国内外のビジネススクールをご紹介します!

起業の勉強でおすすめの本

起業に関する本は数多く出版されているため、自身の知識レベルや目的に合わせて選ぶことが大切です。

ここでは、起業の勉強でおすすめの本を7冊紹介しているため、書籍選びの参考にしてください。

起業1年目の教科書(今井 孝)

「起業1年目の教科書」では、画期的なアイデアや夢・ビジョン、資金がない状態でも、起業で成功するためのバイブルが紹介されています。

起業はハードルが高いと感じ「怖くて一歩も進めない」と考える方もいますが、大きな目標に到達するための細かな階段を作れば、小さい一歩目でも起業に踏み切れるとされています。

また、起業準備やビジネスプランの立て方、価格設定、マーケティング・セールスといった起業で必要な知識全般について触れられている点も特徴です。

「起業をしたいがアイデアや資金がない」「起業に興味があるが不安が大きい」と感じる方におすすめの一冊となっています。

起業を考えたら必ず読む本(井上 達也)

「起業を考えたら必ず読む本」には、創業して25年になる著者の体験談や見聞きした話を踏まえて、直面する起業のリアルを乗り越えるためのアドバイスなどが執筆されています。

・起業を思い立った時に決めるべきこと
・会社を辞める前に行うべきこと
・会社の設立後にすぐ行うべきこと
・経営を軌道に乗せるためのポイント
・起業家の失敗 など

上記のような幅広く実践的な内容に触れられているため、起業を検討した段階で一読し「これから何をすべきか」「本当に起業すべきか」などを判断することもおすすめです。

起業の失敗大全(トム・アイゼンマン)

「起業の失敗大全」は、スタートアップ企業が失敗する原因となる行動やパターンが解説されている一冊です。

起業の成功に関する本は多いですが、失敗に着目している本はそう多くありません。

しかし、起業で成功できる要因は多岐に渡る一方で、失敗の原因には一定のパターンが存在します。

そのため、失敗のパターンを押さえて事業運営ができれば、より起業の成功確率が向上するといえるでしょう。

ケーススタディにはアパレルやマッチングサイト、ショッピングサイトといった幅広い業種が例示されているため、企業運営における戦略や方針を定めるために役立つでしょう。

経営者の条件(P.F.ドラッカー)

「経営者の条件」は、以下のような経営者としてのセルフマネジメントの大原則が紹介された本となっています。

・成果をあげるための考え方
・自らの強みを活かす方法
・時間管理 など

また、経営者だけでなく管理者向けの内容が含まれている点も特徴です。

従業員を雇用して、組織を運営する方にもおすすめの一冊となります。

「成功の型を知る」 起業の技術(浜口 隆則)

「「成功の型を知る」 起業の技術」は、起業における成功の型が理解できる一冊となっています。

本書では、どのような分野でも「成功の型」があるとされ、社長として絶対に知っておくべき経営の12分野がまとめられています。

【経営の12分野の例】
商品力
ポジショニング
ブランディング
集客力
経理・財務
投資とリスクマネジメント など

これらの分野が身に付く48枚のワークシートを使いながら学びを深められる点も特徴です。

ビジネスモデル2.0図鑑(近藤 哲朗)

「ビジネスモデル2.0図鑑」では、世界最先端のスタートアップから大企業まで、様々な企業のビジネスモデルが紹介されています。

「特にどの部分が新しいのか」によって、ビジネスモデルがヒト・モノ・カネ・情報の4つに分類されている点が特徴です。

自身のビジネスアイデアとの比較や、新たなビジネスアイデアの発見に繋げることができます。

また、本書に掲載されている表のように自身のビジネスモデルを図解できる「ビジネスモデル図解キット」も無料で配布されているため、これから事業内容を決める方や、事業内容をブラッシュアップしたい方などにもおすすめです。

ドリルを売るには穴を売れ(佐藤 義典)

「ドリルを売るには穴を売れ」は、モノを売る全ての人を対象としたマーケティングの入門書です。

マーケティングにおいては、顧客にとっての「価値」から考えることが重要とされており、本書ではその「価値」を切り口にして、以下の4つの流れに沿って解説がされています。

・何を売っているのか(ベネフィット)
・誰に売っているのか(ターゲティング)
・あなたの商品でないといけない理由は何か(差別化)
・価値をどうやって届けるか(4P)

解説と並行して、閉店寸前のレストランを復活させる物語も展開されているため、マーケティング分野を始めて学ぶ方でも読み進めやすい内容となっています。

起業で必要な法的手続きとは

上述した通り、起業形態は大きく「個人事業主」と「法人」に分かれており、それぞれ公的な手続きが異なります。

自身が起業する形態で必要な手続きを事前に勉強し、スムーズに開業できるようにしましょう。

ここでは、起業で必要な公的手続きを個人事業主と法人に分けて解説します。

個人事業の開業

個人事業の開業で必要な手続きは、開業届の提出です。

提出先は住所地を管轄する税務署で、開業から1ヶ月以内に提出する必要があります。

開業届については以下の記事で詳細に解説しています。

個人事業主の開業届とは?書き方やメリット・デメリット、手続きの内容などを解説!

開業届を提出した段階で個人事業の開業は完了ですが、別途国民健康保険と国民年金の加入手続きも必要です。

手続き先は管轄の市区町村役場で、退職から14日以内に手続きを行う必要があります。

また、従業員を雇う場合は年金事務所や労働基準監督署、ハローワークでの手続きも必要となる点に留意してください。

法人の設立

法人を設立する際は、大きく以下の手続きが必要となります。

①定款の作成
②定款認証
③資本金の振込み
④登記申請

ただし、定款認証が必要な法人形態は株式会社であるため、合同会社で起業する場合は必要ありません。

法人登記が完了した段階で、法人の設立手続きは完了です。

ただし、法務局への登記申請が完了した後も税務や社会保険関係の手続きが必要となる点に留意してください。

会社の設立で必要な手続きや費用、提出書類などは以下の記事で詳細に解説しています。

法人として起業を検討している方は参考にしてください。

会社設立の手続き一覧~流れや費用、個人事業主と比較したメリットまで徹底解説~

まとめ

今回は、起業前に勉強すべきことや勉強方法、おすすめの本などを解説しました。

起業家との競争で勝ち抜くためには、起業準備の段階で必要な知識を勉強しておくことが大切です。

しかし、実際の事業運営を通じて得られる知識も多いため、起業前に必要な知識や起業後でも間に合う知識を明確にしたうえで効率良く勉強を進めましょう。

勉強方法も独学やセミナー、ビジネススクールなど様々であるため、それぞれの特徴を理解して事業の実態や個々の目的に適した手段を選択することが大切です。

また、起業前に身に付けるべき能力や準備すべき資産、明確にすべき要素などもあるため、入念に起業準備を進めて、万全の状態で開業手続きを行いましょう。

参考

【関連記事】起業志望者必見!スタートアップとは?スタートアップの概要を紹介 | ベンチャー就活ナビ

この記事の執筆者

久田敦史

久田敦史

株式会社ナレッジソサエティ 代表取締役

バーチャルオフィス・シェアオフィスを通して1人でも多くの方が起業・独立という夢を実現し、成功させるためのさまざまな支援をしていきたいと考えています。企業を経営していくことはつらい面もありますが、その先にある充実感は自分自身が経営をしていて実感します。その充実感を1人でも多くの方に味わっていただきたいと考えています。

2013年にジョインしたナレッジソサエティでは3年で通期の黒字化を達成。社内制度では週休4日制の正社員制度を導入するなどの常識にとらわれない経営を目指しています。一児のパパ。趣味は100キロウォーキングと下町の酒場めぐり。

【学歴】
筑波大学中退
ゴールデンゲート大学大学院卒業(Master of Accountancy)

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