近年は事業運営の手法として「コンテンツマーケティング」が注目されています。
消費者が多くの情報から商品の購入を検討できる現代において、売り込み型のマーケティングだけでは思うように利益が伸びない原因となるでしょう。
魅力が大きいコンテンツマーケティングですが、一定のデメリットもあり、コンテンツの発信方法も様々です。特徴はもちろん導入の流れやポイントも押さえて、事業運営を有利に展開しましょう。
本記事では、コンテンツマーケティングのメリット・デメリットや種類、導入の流れなどを解説しています。最後には成功のポイントや失敗例なども紹介しているため、ぜひご覧ください。
目次
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとはテキストや動画、写真などを発信して消費者と接点を持ち、コミュニケーションを取るマーケティング手法です。
顧客の関心や悩みにとって価値のある情報を提供し、その後に悩みを解決もしくは関心を満たす商品やサービスを認知してもらいます。
その特性から、自身のニーズを知らない潜在顧客へのアプローチ方法として非常に有力です。
また、既に自身のニーズが顕在化している顧客の後押しや、CRMでも役立ちます。
訪問営業やクーポンの発行、カタログの送付などとは異なり、消費者の関心が向くまでは積極的なアプローチをしない「インバウンドマーケティング」の一種である点も特徴です。
現在は、コンテンツマーケティングが事業の成功において重要視されており、多くの企業で導入されています。
コンテンツSEOとの違い
SEO(Search Engine Optimization)とは「検索エンジン最適化」を意味しており、一言でいえば「自身のサイトを検索エンジンで上位表示させるための手法」です。
そしてコンテンツSEOとは、Googleを含む検索エンジンでオウンドメディアなどを上位表示させて流入を増やすマーケティング手法を指します。
位置付けとしてはコンテンツマーケティングの一種といえるでしょう。
コンテンツマーケティングの種類の1つにWebサイト運営があり、Webサイト運営を成功させるための手段がコンテンツSEOといったイメージです。
コンテンツマーケティングが注目される背景
コンテンツマーケティングは、2000年~2010年ほどから注目を浴び始めた比較的新しいマーケティング手法です。注目の背景には、広告市場や消費者の動向の変化などがあります。
ここでは、コンテンツマーケティングが注目されている背景を解説します。
Web広告費が高騰している
現在はWeb広告費が高騰しています。
Web広告を活用する事業者の増加によって、広告に対する対費用効果が低くなっているのです。
例えばリスティング広告ではオークション形式で表示位置が決まり、クリック単価を高く設定したサイトが顧客の目につきやすくなります。
そのため中途半端な広告費では、莫大な費用を投下する大手企業には中々勝てない状況です。
一方で、コンテンツマーケティングは費用を抑えて集客を目指せます。Googleはコンテンツの質を重視しているため、予算が少ない事業者でも質の高い情報を発信できれば大手企業とも十分に戦えるでしょう。
戦略次第では莫大なインプレッションを集められる可能性もあります。
費用を抑えて、もしくは同じ予算でより大きな集客効果を見込めると判断した企業が増えた点が、コンテンツマーケティングの注目の要因といえるでしょう。
消費者が得られる情報量が増えている
現在はスマホやタブレットを保有率の向上により、消費者が得られる情報量が莫大に増加しています。
商品やサービスの購入を決断する前に自身で情報を集め、商品・サービスの選定や購入の有無を判断します。
また、従来の売り込み型のアプローチは「自分で調べれば分かる」という理由や、そもそも広告や営業の心象が悪いといった理由から避けている方も少なくありません。
そのため、企業も消費者の欲求やニーズに沿ったコンテンツを用いた販売促進が必要となっているのです。
ZMOTを重視したマーケティングが求められている
ZMOT(Zero Moment of Truth)とは「来店の前に購入する商品を既に決めている」というGoogleが提唱したマーケティング理論です。
顧客は店舗に入る前にインターネットを活用して情報収集を行います。インターネットで商品の口コミの確認や他の商品との比較を済ましているケースが多いです。
そのため、店頭での販売促進のアプローチは効果が薄まっているといえるでしょう。
反対に、消費者が自身で行う情報収集の段階で、いかに商品の情報を届けるかが重要となっているのです。
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングには、従来のマーケティング手法にはない様々なメリットが存在します。これらのメリットを活かしてマーケティングができれば、事業の成功は大きく近付くでしょう。
ここでは、コンテンツマーケティングのメリットを4点解説します。
コンテンツが資産として残る
コンテンツマーケティングで発信した情報は資産として残り続けます。
例えばオウンドメディアで投稿したブログ記事では、半永久的に検索フォームからの流入を得られる可能性があります。100記事投稿したら100ヶ所からサイトへの流入を狙えるのです。
時には、今日投稿したブログ記事が数年後の顧客に繋がるといったケースもあるでしょう。
またSNSで発信した情報も、サービスが終了しない限りはアカウントに紐づいて残り続けます。発信した情報が積み重なると、その道の専門家として認識してもらえるでしょう。
このように中・長期的な視点でマーケティングを行う場合に大きな力を発揮します。
他方でWeb広告は予算の掛け捨てのような形になるため、コンテンツマーケティングの大きなメリットといえるでしょう。
コストを抑えて始められる
コストを抑えて始められる点もコンテンツマーケティングの魅力です。
例えばWebサイト運営の場合は、初期費用5,000円以内、月額1,500円~2,000円程度でコンテンツマーケティングが可能です。
また、SNSや動画サイトでの情報発信はアカウントを作れば無料で、セミナーもオンラインで実施すれば他のマーケティング手法と比較して安価に利用できるでしょう。
目標値や参入する業界にもよりますが、Web広告の場合は月数十万円かかるケースも少なくありません。
また、中途半端な予算では大手の競合に勝てないといった事態も起こり得るため、コストを抑えて販売促進ができるコンテンツマーケティングはいかに魅力かが分かります。
ユーザーの信頼感を獲得できる
特定の分野についての情報を発信し続けると、ユーザーからその道の専門家として信頼感を得られる可能性があります。
似た商品やサービスがあった場合、消費者は実態が分からない業者よりも、専門家としてブランディングができている業者から購入するでしょう。
また、コンテンツマーケティングには消費者とコミュニケーションが取れる種類も多いです。
消費者の疑問や悩みに寄り添った回答ができるため、商品やサービスの購入に踏み切りやすくなるでしょう。
社員の成長にも繋がる
コンテンツマーケティングを通じて社員の成長にも繋がります。
コンテンツマーケティング進めるにあたって、Webサイトの立ち上げ・運用やSNS運用、効果測定、市場調査といった様々な知識を習得できます。
また、商品への理解や消費者の属性を理解する機会ともなるでしょう。
他にも、情報発信で公開したコンテンツを新入社員の研修で利用している企業も存在するなど、社員一人ひとりのスキルアップに繋げることができます。
コンテンツマーケティングのデメリット
メリットが多いコンテンツマーケティングですが、他の手法と比較した際のデメリットも存在します。
ここでは、コンテンツマーケティングのデメリットを解説します。
中・長期的な期間を要する
コンテンツマーケティングは短期間での成果を期待できません。
例えばブログマーケティングの場合、Googleのインデックスに登録されて検索順位が安定するまで、数ヶ月程度要するケースもあります。また発信している情報量が少ないと、上位表示されない原因ともなるのです。
ブログマーケティング以外でも、発信している情報量が少ないとインプレッションが集まらず、フォロワーも増えません。
そのため、中・長期的に情報を発信し続けることが重要となります。
また、情報発信の前段階である目標設定やリサーチも1~2ヶ月程度要する場合が多いです。
Web広告のように、すぐに効果を得たいと考えている場合には不向きといえるでしょう。
手間がかかる
Web広告などと比較してコンテンツマーケティングは手間がかかる手法です。
継続した情報発信に加えて、効果測定が必要となります。また導入までの目標設定やリサーチなども要するため、一定の労働量の投入は必須といえます。
一定の労働力をコンテンツマーケティングに割く必要があるため、人員構成の見直しも必要となるでしょう。
費用をかけてもそれで終わりではない点に注意が必要です。
継続して情報を発信する必要がある
コンテンツマーケティングでは継続した情報発信が必要です。
例えば過去に発信した情報の数が多くても、更新を止めてしまうと「古い情報しか載っていない」「今活動しているか分からない事業者」などと思われる可能性があるため注意しましょう。
コンテンツマーケティングには明確な終わりがないという考えが重要です。
コンテンツマーケティングの種類
コンテンツマーケティングで扱う情報には以下のようなものがあります。
・テキスト
・画像
・動画
・言葉や音声
これらにマッチした媒体での情報発信が重要で、時には組み合わせて使うことも効果的です。
ここでは、コンテンツマーケティングの主な情報発信方法の種類を解説します。
Webメディアの運用
Webメディア(オウンドメディア)の運用はコンテンツマーケティングの中でも最もメジャーな手法の1つです。
自社のWebサイトでブログ記事を投稿し、Googleなどの検索エンジンで悩みや疑問を検索したユーザーの流入を目指す流れとなります。
月々1,500円~2,000円で運用ができ、検索ボリュームが大きいキーワードで上位表示ができれば、高い対費用効果を得られます。
しかし、記事を上位表示させるにはSEOの知識が必須です。SEOのノウハウは検索エンジンのアップデートと共に変わるため、日々スキルアップを目指す必要があります。
例えば弊社では、起業家や起業を目指す方に情報を届ける本ブログを運営しています。
ブログマーケティングについては以下の記事で詳細に解説しているため、Webメディアの運用に関する知識を深めたい方はぜひご覧ください。
参考:起業ノウハウ
SNS運用
SNS運用とはTwitterやInstagramといったSNSにテキストや画像、動画などを投稿するマーケティング手法です。
現在は非常に多く方がSNSを利用しており、アカウントを作れば無料で投稿ができます。
SNSは他のユーザーと交流しやすい点が大きなメリットです。ユーザーの意見をダイレクトに得られるため、アプローチがしやすく、商品やサービスの改善の参考にもなります。
上記のWebサイト運営との相性も良く、SNSの投稿のリンクからWebサイトに流入させる手段もおすすめです。
ただし一言でSNSといっても様々なサービスが存在します。各SNSでユーザーの属性が異なるため、ターゲットに合わせた選択が必要です。
また、現在はSNSへの投稿が炎上する例もあります。炎上すると企業のイメージが大きく損なわれるため、担当者のリテラシーやチェック体制の確立が重要です。
例えば、調味料や納豆をなどを製造する食品メーカーである「株式会社Mizkan」では、Twitterを用いた情報発信や顧客との交流を積極的に行っています。
参考:【公式】ミツカン(@mizkan_official)さん
動画コンテンツの発信
SNS運用の1つではありますが、動画コンテンツを制作してYouTubeやTikTokなどのプラットフォームに投稿する手法もあります。
画像やテキストと比較して表現の幅が広がり、直感的に情報を伝えやすいです。
また動画を一度製作すれば研修や説明会、セミナーなどで再利用できる可能性もあります。
ただし、写真撮影よりも製作に時間やコストを要し、通信環境にも制限が生じる点がデメリットといえるでしょう。
例えば、弁護士事務所を運営する「アトム法律事務所弁護士法人」では、YouTubeチャンネルで頻繁な動画投稿を行っています。
140万人以上の登録者を有し、知名度向上に繋げています。
メールマガジン
比較的古くからある手法ですが、メールマガジンの送信も有力な手段です。
文字数に制限がなく、多くの顧客にまとめて送信ができます。また、顧客のメールボックスに保存されるため、いつでも検索できる状況にもなります。
一方で開封率は決して高くなく、メールアドレスの収集が必要となる点に注意しましょう。
なお、現在はメールマガジンではなく、LINEマガジンなどを活用する例も増えています。
例えば、出版事業を中心に展開する「株式会社KADOKAWA」のオンラインストアでは、メールマガジンの登録フォームが常設されています。
セミナー・イベント
セミナーやイベントの開催もコンテンツマーケティングに含まれます。特にオンライン上でセミナーを開催する「ウェブセミナー(ウェビナー)」がおすすめです。
ウェビナーであれば開催のコストを抑えられ全国の顧客をターゲットにできます。収集できる顧客データも多いため、マーケティング上有利に働く点も魅力です。
ただしSNSやブログと比較して敷居が高く、通信環境による不具合が生じるといった注意点もあります。
例えば、大手証券会社である「大和証券株式会社」では、個人投資家などを対象にしたセミナーを主催しています。全国から視聴できるウェブセミナー形式を導入している点が特徴です。
ウェブセミナーについては以下の記事で詳細に解説しています。コンテンツマーケティングにセミナーを活用したい方はぜひご覧ください。
ホワイトペーパー
BtoBビジネスの場合はホワイトペーパーの活用もおすすめです。
ダウンロード形式にすればターゲット層の情報を集めやすく、受注の可能性も高められます。また、営業時や研修時のツールに使いやすい点も魅力です。
ただし潜在顧客の獲得は難しく、情報の訂正もできない点に注意が必要です。
例えば、通信事業を展開する「エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社」では、働き方改革やネットワーク分野などのホワイトペーパーをダウンロードできる環境を提供しています。
参考:ホワイトペーパーダウンロード|NTTコミュニケーションズ
プレスリリース
プレスリリースとは新商品や新サービス、事業運営に関する情報などを関係者に伝えるための配信です。
上記のウェブセミナーと同様に、オンラインを活用すれば費用を抑えて幅広い方に情報を届けられます。
また、商品・サービスの認知はもちろん、業務提携や人材の採用に繋がるケースがある点も魅力です。
ただし潜在顧客の獲得は簡単でなく、準備にも時間がかかります。また、マスコミや各種メディアに取り上げられるか否かで効果が大きく変わる点にも注意が必要です。
例えば、日本経済新聞ではプレスリリースに関する記事を日々20件程度更新しています。このように有名なメディアに取り上げられれば、非常に大きなマーケティング効果を期待できるでしょう。
コンテンツマーケティングの始め方
コンテンツマーケティングはただ情報を発信すれば良いものではありません。ターゲット層の明確化や効果測定を適切に行う必要があります。
ここでは、コンテンツマーケティングの導入の流れを解説します。
目標の設定
コンテンツマーケティングの導入の際は、企業の課題を踏まえて目標を設定します。
・既存顧客の維持
・潜在顧客の獲得
・ブランドの認知度の向上
・顧客情報の獲得
・販売数の増加 など
目的に応じて必要な取組みが変わるため、必ず最初に明確化しましょう。
また、企業の課題から「短期間で売上の向上やユーザーの獲得が必要」と判断した場合、コンテンツマーケティングは適していない可能性があります。
上述した通り、コンテンツマーケティングは中・長期的な期間を要するため、早急に結果を出す必要がある場合は別の手法も視野に入れましょう。
ペルソナの設定
コンテンツマーケティングの目標が決まったらペルソナの設定を行います。
ペルソナとは、マーケティングの対象となる顧客像を指します。ペルソナを具体的に決めることで、誰にどのような情報を伝えるかを明確にしやすくなります。
また、顧客インサイトも見えやすく、社内や関係者への共有もできるため、ターゲット層の認識のズレを防止可能です。
【ペルソナ設定の例】
年齢:38歳
性別:男性
出身地:埼玉県出身・東京都在住
家族構成:妻と2人の子供と一緒に暮らしている
職業:会社員(IT関係)
年収:550万円
趣味:釣り・ネットサーフィン
お金の使い方:職場の飲み会程度。月2万円のおこづかいでやりくりしている
悩み:子育てや老後を考えると収入が足りないと感じている
将来の展望:転職や副業、起業など手段は選ばないが収入アップを目指したい
登録しているSNS:Facebook・Twitter
ただし、企業に都合の良い設定にしてはいけません。アンケート調査などを用いて、実情に即した人物像を設定しましょう。
カスタマージャーニーマップの作成
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品・サービスの購入を検討した段階から、実際に購入するまでの流れを図にしたものです。
決まった様式はありませんが、一例として以下の表を紹介します。
状況 | ニーズ認識 | 商品認知 | 比較・検討 | 購入 | 利用 | 継続 |
行動 | ||||||
接点 | ||||||
思考 |
カスタマージャーニーマップの作成によって、顧客目線で商品購入のプロセスを考えることができます。
商品購入や継続までの流れを明確にできるため、コンテンツマーケティングですべきことが分かりやすくなるでしょう。
コンテンツの種類を決定
ペルソナやカスタマージャーニーマップを参考にして、発信するコンテンツや発信方法を決めます。競合他社のコンテンツを分析すれば、自社の発信内容をブラッシュアップできます。
コンテンツや発信方法は複数になっても問題ありません。
発信が必要な情報やコンテンツをリスト化し、優先順位を付けて製作を行いましょう。
コンテンツの製作・情報発信
コンテンツの種類を決定したら順次コンテンツの製作・情報発信を行っていきます。
コンテンツの発信に関する予定表を作っておけば、スケジュール管理が容易となり、共通認識も作りやすいです。
また、誤った情報を投稿すると企業の信頼感の低下にも繋がるため、内容のチェック体制を確立しましょう。
効果測定
コンテンツは投稿して終わりではありません。投稿したコンテンツの効果測定を行って、次回のコンテンツに反映させましょう。
詳しくは後述しますが、Google Analyticsなどの解析ツールを使うと効率的な分析ができます。
目標値に届いてない場合は、コンテンツの改善が必要です。最初は複数の問題点が出る可能性がありますが、課題をひとつに絞り込んで確実に改善していきましょう。
ただし、コンテンツの数が少ない状態では、効果測定で正しいデータが出にくいです。導入した直後はコンテンツ数の増加に向けた取組みがおすすめです。
コンテンツマーケティングの成功のポイント
現在は多くの企業がコンテンツマーケティングを導入しているため、成功のための対策を施さないと効果が出ない可能性があります。
ポイントを押さえて情報発信を行い、確実に成果をあげましょう。
ここではコンテンツマーケティングの成功のポイントを解説します。
運用体制を確立する
コンテンツマーケティングは中・長期的な継続が重要です。中・長期的な情報発信を続けるためにも、社内の運用体制の整備を行いましょう。
具体的には以下の5つの役割が一般的です。
・プランナー
・製作者
・管理者
・運用者
・アナリスト
専門的な知識を有する人員がいない場合は、外部の人員への外注も有効です。
業務委託契約であれば、新規に人員を確保するよりも予算を押さえたまま専門性の高いパフォーマンスを発揮してもらえます。
役割分担ができていない、もしくは人材不足であると工程や役割、責任が曖昧になりやすいため注意が必要です。
ロングテールキーワードを狙う
Webメディアの運用では、キーワードを設定した記事作成が一般的です。その中でも最初はロングテールキーワードを狙ってコンテンツ制作を行いましょう。
ロングテールキーワードとは、複数の単語を組み合わせたキーワードです。
ロングテールキーワードは検索ボリュームが少ないため、競合も少なく、上位表示されやすい特徴があります。
また記事の方向性を決めやすく、読者の悩みも具体的であるためCVに繋がる可能性が高いです。
例えば「起業」という1つの単語ではなく「起業 準備」のキーワードであれば「読者は起業を行う際の準備について知りたい」と想像して記事作成をしやすいでしょう。
しかし、ロングテールキーワードでは多くの流入を望めない点がデメリットです。必要な記事が生じた場合やメディアが成長した段階で、単体のキーワードでの記事作成を狙ってもよいでしょう。
SNSからの流入も目指す
コンテンツマーケティングの際はSNSからの流入も目指しましょう。
流入手段をSEOのみに絞ると、大手企業に敵わない可能性や、検索エンジンのアップデートによって表示順位が大幅に下がる可能性などがあります。
そこでSNSを活用すれば、検索結果で上位表示されなくても、企業のファンがページを見てくる可能性が高まります。
また、新規サイトや動画投稿を始めた際も比較的早くからPVを集めやすくなるでしょう。
ブログ記事にコメントしなくても、SNSアカウントであればコメントを残す方もいるため、顧客の声をより近くで聞ける点も大きな魅力です。
消費者の購買意欲に合わせたアプローチを行う
顧客の購買意欲は、すぐに商品が欲しい「今すぐ客」のみではありません。
どのような商品を買うべきか分からない「お悩み客」や、商品を購入する必要性を強く感じていない「そのうち客」、悩みの解決の必要性や強く購入したいと感じる商品がない「まだまだ客」なども存在します。
そのため、消費者の購買意欲に合わせたアプローチが大切です。
特にコンテンツマーケティングでは「そのうち客」と「お悩み客」を「今すぐ客」に変えるための取組みが重要です。
各情報の発信方法によって、向いている購買意欲の客層が異なるため「どの見込み客に対するアプローチか」を明確にして行動しましょう。
コンテンツマーケティングのよくある失敗例
コンテンツマーケティングは誰もが成功できるわけではありません。中には、長期間継続しているにも関わらず成果が出ない事業者も存在します。
成果が出ない場合は何かしらの原因がある可能性が高いため、良くある失敗例を確認しましょう。
ここではコンテンツマーケティングの良くある失敗例を3つ紹介します。
短期で結果が出ると思っている
コンテンツマーケティングでは「Web広告のようにすぐに成果が出る」と勘違いしている方も多いです。
そのため1ヶ月や2ヶ月で成果が出ないとすぐに諦めてしまう方もいます。
しかし上述した通り、コンテンツマーケティングは数ヵ月や数年単位で行うプロジェクトです。
4ヵ月~6ヵ月程度継続して徐々に成果に現れてくるといったイメージを持って運営を行いましょう。
SEO対策ができていない
オウンドメディアの運営で成果を出すにはSEO対策が重要です。
上述した通り、SEOとは「検索エンジンで上位表示させるための手法」です。SEO対策ができていなければ、どれだけ記事を量産しても検索エンジンからの流入は望めません。
検索エンジンで上位表示されるための明確な基準は発表されていません。しかしどのような検索エンジンであっても「記事の質の高さ」は重要視されています。
ユーザーが検索した意図を達成できるユーザーファーストな記事を意識して作成しましょう。
そのためにも「なぜユーザーはこのキーワードで検索をしているのか」「ユーザーは記事の閲覧後のどのような状態になっていたいか」を理解する必要があります。
そして、ユーザーのニーズを満たしている記事は、既存の上位記事であるケースが多いです。始めのうちは上位表示の記事を参考にしつつ、独自性を持たせた構成を目指しましょう。
ユーザーに行動を取らせる仕組みができていない
SEO対策ができていても、ユーザーに行動をとらせる仕組みができていないケースがあります。
例えば、上位表示してアクセスがありユーザーの悩みが解決できる記事であっても、自社の商品の紹介や自社の利益となる行動を促すCTAが記載されていなければ中々成約には繋がりません。
コンテンツマーケティングの最終目的は読者の悩みを解決することの先にある、潜在顧客の獲得や既存顧客の維持であるはずです。
この点を意識した情報発信を行うことが、コンテンツマーケティングの成功のポイントといえるでしょう。
コンテンツマーケティングが効率的になるツール
コンテンツマーケティングを効率的に進めるには、各種ツールの活用がおすすめです。
ここでは、コンテンツマーケティングが効率的になるメジャーなツールを3つ解説します。
CMS
CMS(Contents Management System)とは、Webサイトを構成する画像やテキスト、デザインなどを一元的に管理するシステムを指します。
CMSを活用すれば、HTMLやCSSなどの専門的な知識がなくても、簡単にWebサイトの構築が可能となります。
Webサイトを構築できるCMSは様々ですが、おすすめは「WordPress(ワードプレス)」です。
全世界のサイトの4分の1以上はワードプレスで作られているといわれています。ユーザーが多いため情報が簡単に集められ、プラグインも豊富です。
また、SEOに強いともいわれているため、Webサイトの運営を行う場合は積極的に導入しましょう。
Google Analytics
Google AnalyticsとはGoogleが提供しているアクセス解析ツールで、無料で利用ができます。
Google Analyticsで解析できる情報は、大きく以下の4つです。
・オーディエンス:サイトに訪れた人の属性やや人数
・集客:どこからサイトに訪れているか
・行動:どの記事を閲覧しているか
・コンバージョン:資料請求や申込がされたか
サイトの現状や改善点を明確に把握しやすいため、サイト運営の際は必須ともいえるツールです。
Google Search Console
Google Search Consoleとは、検索キーワードの状況やページの問題点、被リンクの状況などを確認できるツールです。
特に検索キーワードの状況が分かれば、サイトのリライトの参考やユーザーニーズの把握に繋がります。
また、企業が気付いていないユーザーの需要が分かる場合もあるため、サイト運営やマーケティングに大いに役立ちます。
まとめ
今回はコンテンツマーケティングのメリットや種類、導入の流れなどを解説しました。
コンテンツマーケティングはコストを抑えて始められ、資産型のコンテンツとして残る点が特徴の手法です。また顧客の信頼感の獲得や、社員の成長にも大きく貢献します。
中・長期的な計画でマーケティングを行うのであれば、非常に有力な手段となるでしょう。
しかし、一言でコンテンツマーケティングといっても様々な種類が存在します。情報の発信方法で特徴や対象となる顧客が異なるため、事業の実態に適した種類を選択しましょう。
コンテンツ―マーケティングが順調に進めば、低コストで事業の成功に大きく貢献するため、ぜひ導入を検討してください。
参考
成果追求型Webマーケティングメディア|Union Media
【SEOとコンテンツマーケティング】2つの違いとは?各施策を解説
Union Mediaは、Web広告代理店の株式会社Unionが運営するWebマーケティングメディアです。
当社のモットーである「成果追求」をコンセプトに、Webマーケティングの基本からリスティング広告・SNS広告などの各種Web広告と動画制作に関するノウハウを公開します。
この記事の執筆者
久田敦史
株式会社ナレッジソサエティ 代表取締役
バーチャルオフィス・シェアオフィスを通して1人でも多くの方が起業・独立という夢を実現し、成功させるためのさまざまな支援をしていきたいと考えています。企業を経営していくことはつらい面もありますが、その先にある充実感は自分自身が経営をしていて実感します。その充実感を1人でも多くの方に味わっていただきたいと考えています。
2013年にジョインしたナレッジソサエティでは3年で通期の黒字化を達成。社内制度では週休4日制の正社員制度を導入するなどの常識にとらわれない経営を目指しています。一児のパパ。趣味は100キロウォーキングと下町の酒場めぐり。
【学歴】
筑波大学中退
ゴールデンゲート大学大学院卒業(Master of Accountancy)
【メディア掲載・セミナー登壇事例】
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