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一般社団法人とは?他の法人格との違いや設立の流れ、メリット・デメリットを簡単に解説

[投稿日]2021/01/06 / [最終更新日]2024/09/08

一般社団法人とは?他の法人格との違いや設立の流れ、メリット・デメリットを簡単に解説

本記事では、一般社団法人について以下の内容を解説します。

  • 概要
  • 組織・仕組み
  • 他の法人格との違い
  • 設立のメリット・デメリット
  • 向いている人・事業内容の例
  • 設立の要件・流れ

非営利法人の1つである「一般社団法人」は「利益の分配ができない」点が特徴です。

また「利益を出してはいけない」や「給料を支払ってはいけない」と考える方もいるでしょう。

しかし実際は、株式会社や合同会社と同様に、事業で稼いで従業員に給料を支払うことができます。

一般社団法人は幅広い事業内容で認められており、社会的な信頼を得られる点などが魅力です。

活動内容によっては個人事業主や株式会社・合同会社よりも適している可能性があるため、本記事を参考にして基本的な知識を習得してみてはいかがでしょうか。

一般社団法人とは?

一般社団法人とは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立される非営利法人です。

人の集まりに法人格を与えたもので、法務局への法人登記のみで設立ができます。

非営利法人の中で最も幅広い活動が認められている法人格であり、営利目的ではなく社会貢献や社会問題の解決を目的に設立されることが一般的です。

また、利益を分配しなければ対価(利益)を得ることも認められており、活動資金は事業収入や会費、寄付金などで調達します。

利益をあげてもいい

「非営利法人である一般社団法人は事業で稼いではいけない」と考える方も多いです。

しかし、実際は一般社団法人でも利益を出すことが認められています。

ただし「利益の分配」は禁止されています。

一般社団法人は、営利ではなく社会貢献に重きを置いた活動が求められるためです。

例えば、株式会社であれば資金を提供した株主に配当金として利益を分配しますが、一般社団法人の場合は社員や理事などに利益を分配できません。

活動を通じて発生した利益は、法人の活動に使用されるか、内部に留保されます。

給料を支払ってもいい

一般社団法人は、従業員などに対して給料の支払いができます。

むしろ、事業運営を行うにあたって必要な人材に給料を支払わないと、法律違反になる可能性が高いです。

従業員などの給料は、会費収入や事業収入、寄付金などから捻出されます。

ただし、利益分配との区別を明確に行い、透明性を持って適切な金額を支払う必要があります。

一般社団法人の組織・仕組み

一般社団法人は、株式会社や合同会社といった営利法人とは異なる組織体制や仕組みを有しています。

ここでは、以下の3点に着目して、一般社団法人の組織や仕組みを紹介します。

  • 一般社団法人の構成員
  • 一般社団法人の機関
  • 一般社団法人の基金

一般社団法人の構成員

一般社団法人は、大きく以下の3つの構成員で成り立っています。

  • 社員:法人の意思決定に参加する権利を有する構成員
  • 従業員:業務に従事する一般の職員
  • 理事:法人を代表して意思決定ができる役職

一般社団法人における「社員」とは、社員総会での議案の提出や議決権の行使ができる立場の構成員です。

株式会社における「株主」の立場に近く、法人に対して労働力を提供する義務はありません。

株主と異なる点は、利益の分配を受けられないことで、一般社団法人の設立には2名以上の社員が必要です。

一般的な株式会社や合同会社で扱われる「社員」とは権限が大きく異なる点に留意してください。

社員には個人だけでなく、法人や団体も就任できます。

一方、対価を得て事業に従事する人材は「従業員」と呼びます。

また「理事」とは、一般社団法人の重要事項を決定する権限がある役職で、1名以上の選任が必要です。

中でも「代表理事」には、株式会社の「代表取締役」のように対外的な権限が付与されます。

一般社団法人の機関

一般社団法人の主要な機関は以下の通りです。

  • 社員総会:社員全員で構成される最高意思決定機関(必須)
  • 理事:法人を代表して意思決定ができる役職(必須)
  • 理事会:意思決定や理事の職務執行の監督を行う機関(理事が3名以上で設置可能)
  • 監事:理事の職務執行を監査する機関(任意/理事会・会計監査人を設置する際は必須)
  • 会計監査人:帳簿等を監査する機関(任意)

社員総会と理事は必ず設置が必要です。

社員総会とは、一般社団法人の最高意思決定機関であり、社員全員で構成されます。

決算期ごとに招集される「定時社員総会」や、必要に応じて招集される「臨時社員総会」によって、法人の基本事項や組織の運営・管理に関する事項などを決定します。

また、理事が3名以上の場合、意思決定や理事の職務執行の監督を行う「理事会」を任意で設置可能です。

加えて「監事」や「会計監査人」も任意で設置できます。

これらの機関を設置することで、以下のようなメリットが生じます。

  • 業務執行の監督強化
  • ガバナンスの強化
  • 法的リスクの軽減
  • 社会的信用の向上
  • 内部統制の強化 など

監事や会計監査人は法人でも就任でき、規模の大きい組織になるほど検討すべき項目です。

ただし、理事会や会計監査人を設置する場合、監事の設置も必須となる点に留意してください。

一般社団法人の基金

一般社団法人の「基金」とは、社員や第三者から活動資金を集める手段です。

例えば、一般社団法人が地域貢献活動を行う場合、基金を設けて地域住民や企業から資金を集められます。

一般社団法人は営利法人や一般財団法人とは異なり、資本金制度や財団の拠出制度がないため、資金がゼロでも法人を設立できます。

しかし、法人運営には費用を要するため、基金制度で資金調達を行う仕組みが設けられているのです。

基金は出資とは異なり登記事項ではなく、法人内部で手続きが完了します。

また、法人と拠出者の両方の同意によって返還義務も負う点も特徴です。

株式会社・合同会社との違い

一般社団法人は「非営利法人」である一方で、法人形態として有名な株式会社や合同会社は「営利法人」に分類されます。

営利法人とは、文字通り利益を追求する法人形態です。

一般社団法人では禁止されている利益の分配をできる点が特徴です。

ここからは、株式会社と合同会社の特徴をご紹介します。

株式会社とは?

株式会社とは、株式の発行によって資金調達ができる法人形態を指します。

事業で得た利益の一部は株主に配当として還元することが特徴です。

株式会社には以下のようなメリットがあります。

  • 大規模な資金調達が可能
  • 社会的な信用を高い
  • 事業承継がしやすい
  • 上場を目指せる など

一方で、以下のようなデメリットもあるため注意が必要です。

  • 株主の意向が経営に影響を及ぼす
  • 設立費用が高額
  • 決算公告が必要
  • 維持費がかかる など

このような特徴があるため、比較的規模が大きい事業に適しています。

株式会社については「株式会社とは?仕組みやメリット・デメリット、設立方法などを簡単に解説」で詳しく解説しています。

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合同会社とは?

合同会社も営利法人の1つですが、出資者全員が経営を行う持分会社である点が特徴です。

2006年に導入された比較的新しい法人形態ですが、設立数は急激に増加しています。

合同会社の主なメリットは以下の通りです。

  • 株式会社より設立費用が安価
  • 株式会社より手設立手続きが容易
  • 経営の自由度が高い
  • 役員任期の更新が不要 など

一方で、以下のようなデメリットがあるため注意が必要です。

  • 株式による資金調達ができない
  • 上場ができない
  • 権利譲渡に手間がかかる
  • 社員の退社で資本金が減る可能性がある など

合同会社は、株式会社よりも比較的小規模な事業に適しています。

合同会社については「合同会社とは?株式会社との違いや設立のメリット・デメリットをわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

その他の非営利法人との違い

非営利法人は、一般社団法人以外にもさまざまな形態が存在します。

特に以下の3つは代表的な非営利法人です。

  • 一般財団法人
  • 公益社団・財団法人
  • NPO法人(特定非営利活動法人)

それぞれの特徴を詳しく解説します。

一般財団法人

一般財団法人とは、財産の運用を目的とした団体です。

設立するためには、以下の構成員を決めたうえで、300万円以上の財産の拠出が必要となります。

  • 理事:3名
  • 評議員:3名
  • 監事:1名

一般社団法人とは異なり、人ではなく財産に対して法人格が与えられる点が特徴です。

厳密に活動内容が定められているわけではありませんが、自身の財産を社会貢献に活用したい場合などに、一般財団法人に委ねることができます。

具体的には以下のような事業運営で活用されます。

  • 美術館
  • 博物館
  • 奨学金支給
  • 環境事業
  • 緑化事業 など

公益社団・財団法人

公益(社団・財団)法人とは、不特定多数の人々の利益増進を目的とする法人です。

一般社団法人または一般財団法人の設立後に、内閣府または都道府県から公益性の認定を受ける必要があります。

一般社団法人や一般財団法人とは異なり、審査の通過が必要で、認定後も一定の基準を満たし続ける必要があります。

比較的、設立・維持のハードルが高いといえるでしょう。

また、公益性が必須ではない一般社団法人に対して、公益社団・財団法人は活動費全体の50%以上が公益目的事業で使用するなどの各種要件を満たす必要があります。

公益社団・財団法人は、公益目的の事業を行い公的機関からの認定も受けているため、社会的信用力が高く、税制面でも優遇されます。

しかし、以下の活動を含む23種類の公益事業の中で活動しなければなりません。

  • 学術
  • 美術
  • 演芸
  • 慈善 など

NPO法人(特定非営利活動法人)

NPO法人(特定非営利活動法人)とは、文字通り特定非営利活動を行う法人です。

「特定非営利活動」とは、法律で定める20分野のいずれかに該当する活動(*)を、不特定かつ多数の者のために行うことを指します。

具体的には以下のような活動が挙げられます。

  • 保険や医療、福祉の推進
  • 社会教育の推進
  • まちづくりの推進
  • 学術や文化、芸術やスポーツの振興
  • 被害救援活動
  • 地域安全活動 など

設立には都道府県または政令指定都市の認証が必要です。

認証後に法人登記を行うことで、法人として活動できます。

* 特定非営利活動法人(NPO法人)制度の概要 | NPOホームページ

一般社団法人の4つのメリット

一般社団法人の大きなメリットは以下の4つです。

  • 設立の手続きが容易
  • 幅広い事業内容で認められる
  • 社会的な信用が高い
  • 節税に繋がる

各メリットを詳しく解説します。

設立の手続きが容易

一般社団法人は、法人設立の手続きが比較的容易です。

まず、他の非営利法人とは異なり、諸官庁からの認定を受ける必要はありません。

また、資本金という概念がなく、振込みが不要なので、営利法人と比較しても手続きは少ないです。

さらに、最低2名の人員を集めればよく、大規模な資金もいりません。

通常2週間から1ヵ月程度で手続きを終えられます。

このような特徴があるため、法人設立のハードルが比較的低いといえるでしょう。

幅広い事業内容で認められる

一般社団法人は、幅広い事業内容で活動が認められており、他の非営利法人と比べて自由な事業運営が可能です。

一般財団法人やNPO法人とは異なり、事業内容の制限がなく、公益法人のように公的機関に認定も不要であるためです。

一方で、一般財団法人は財産の運用、NPO法人は特定非営利活動と活動内容が制限されており、公益法人は公益性がある事業と公的機関から認証される必要があります。

他の非営利法人では設立できない活動内容でも、一般社団法人であれば設立できる可能性が高いです。

さらに、原則として諸官庁への報告義務もないため、比較的少ない制限の下、自由に事業運営できます。

多様な活動をしたい団体にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。

社会的な信用が高い

一般社団法人は比較的容易に設立できますが、法人格を持たない任意団体と比較して社会的な信用力が高いです。

信用力が上がる要因には以下のようなものがあります。

  • 登記簿謄本の閲覧により法人の実態を確認できる
  • 法人名義の口座が開設でき、寄付金の振込みで安心感が生じる
  • 代表者個人が活動できなくなっても組織として活動ができる

信用力が高まると寄付金を集めやすくなり、資金繰りに余裕が生まれます。

結果として、目的に向けて柔軟に活動できるようになるでしょう。

節税に繋がる

一般社団法人は、税法上で以下の2つの区分に分けられます。

  • 非営利型一般社団法人
  • 普通型一般社団法人

非営利型一般社団法人に該当する場合、収益事業以外の利益に課税されません。

つまり、寄付金などの歳入がすべて法人内に残るということです。

非営利型一般社団法人とは「非営利型が徹底された法人」もしくは「共益活動が目的の法人」のいずれかに該当する法人を指します。

寄付金に課税されなければ資金繰りに余裕が生まれ、活動の幅が広がるでしょう。

一方、普通型一般社団法人に該当する場合は、寄付金などの歳入にも通常通り課税されるため注意が必要です。

一般社団法人の4つの注意点・デメリット

さまざまなメリットがある一般社団法人ですが、以下のような注意点やデメリットもあります。

  • 利益の分配ができない
  • 税制上のメリットがないケースもある
  • 必要な手続きが増える
  • 資金調達の手段が制限される

各要因を詳しく解説します。

利益の分配ができない

前述した通り、一般社団法人は構成員に利益を分配できません。

余剰金が生じた場合でも、今後の活動資金として内部に留保させる必要があります。

そのため、構成員はどんなに成果を出しても分配金で収入を上げることはできません。

分配金を目的や目標として働けないため、構成員のモチベーション維持が難しくなるリスクが生じるでしょう。

構成員のモチベーション維持のために、スキルアップの機会提供や表彰といった他のインセンティブを考慮することも重要です。

税制上のメリットがないケースもある

上述した通り、一般社団法人は税法上で以下の2つに分けられます。

  • 非営利型一般社団法人
  • 普通型一般社団法人

非営利型一般社団法人の場合、税制上の優遇を受けられますが、普通型一般社団法人では原則として寄付金を含むすべての利益が課税対象となります。

つまり、税負担は株式会社や合同会社と同じです。

非営利型一般社団法人でないとメリットを十分に活かしきれない可能性があります。

普通型一般社団法人に分類される場合は、その他のメリットを確認したうえで設立を検討しましょう。

必要な手続きが増える

任意団体が一般社団法人になると、事務処理が複雑になります。

法人としての会計処理が必要となり、理事の任期更新に伴う登記手続きや費用が発生します。

会計処理や登記手続きには専門的な知識を要するため、団体の活動領域以外の学習も必要です。

加えて、毎年社員総会を開催する必要があり、各種書類の作成も行うこととなる点に留意してください。

任意団体が一般社団法人に移行する際には、事務処理の複雑さを十分に理解したうえで検討を進めましょう。

資金調達の手段が制限される

一般社団法人は、法人としての出資制度が存在しないため、株主や社員からの出資による資金調達ができません。

融資を受けることも可能ですが、営利法人と比較して条件が厳しい可能性があります。

そのため、基金制度の活用や事業の余剰金で実施する必要があります。

しかし、基金制度や事業の余剰金で莫大な資金を調達することは容易ではありません。

資金が不足すると活動内容に制限が加わり、設備投資も難しくなるため、結果として法人の成長が遅くなるリスクが生じます。

一方、株式会社であれば上場によって全国の投資家から莫大な資金を得られる可能性があります。

大規模な資金を投入して事業を拡大したい場合は、株式会社の方が適している可能性があるでしょう。

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一般社団法人が向いている人・事業内容の例

一般的に、以下の事業内容の場合、一般社団法人が選択される傾向にあります。

  • 公益性が高い事業
  • 協会ビジネス

公益性が高い事業の例を紹介します。

  • 芸術
  • 地域復興関連事業
  • 障害福祉事業
  • 介護福祉事業 など

また、協会ビジネスとは、特定分野での共通利益の獲得や社会貢献を目指している「協会」を設置して利益を得る事業内容です。

他にも、社会貢献や公益性といったイメージを持たせるために、一般社団法人を選ぶケースもあります。

ただ、どの法人格を選ぶべきかは一言では断言できません。

上記以外に一般社団法人が適した例もあれば、上記の活動は必ず一般社団法人を選択すべきというわけではないためです。

株式会社でも公益性が高い事業はできるため、メリット・デメリットを適切に理解したうえで法人形態を選ぶことが重要です。

一般社団法人の設立要件

一般社団法人を設立するためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。

  • 構成員の人数
  • 本店所在地
  • 法人名称

各要素を詳しく解説します。

構成員の人数

一般社団法人の設立時は、最低でも以下の構成員を確保する必要があります。

  • 社員:2名
  • 理事:1名

社員と理事は兼任できるため、最小2名で要件を満たせます。

また、社員は個人ではなく法人も就任可能です。

一方、理事は法人の就任ができず、必ず個人であることが必要です。

本店所在地

法人登記の際は、本店所在地の記載が必要です。

少人数で一般社団法人を設立する場合、自宅でも活動できる場合があります。

しかし、マンションや賃貸アパートの場合、事業での使用が認められていないことがあるため要注意です。

オーナーとのトラブルになる可能性があるため、必ず規約を確認してください。

本店所在地で悩んでいる場合は、バーチャルオフィスやレンタルオフィスの活用も検討しましょう。

  • バーチャルオフィス:事業用の住所をレンタルできるサービス
  • レンタルオフィス:占有できるスペースをレンタルできるサービス

賃貸オフィスよりも費用を抑えつつ、ニーズに適したオフィスを用意できるでしょう。

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法人名称

法人登記の際は、一般社団法人の名称を定める必要があります。

法人の名称は、以下の3つを踏まえて検討しましょう。

  • 法人名の前後に「一般社団法人」と入れる
  • 漢字・ひらがな・カタカナ・数字・アルファベット・一部の記号のみで構成
  • 不正目的(他社の利益を侵害するなど)ではないか

「一部の記号」とは「&」「’」「,」「-」「.」「・」の6つを指します。

また、既に使用されている法人名で、同一住所の場合は登記ができません。

ただ、同一住所でなくても、第三者に不信感を与える要因となるので、既存の法人名は避けることが無難です。

一般社団法人の設立の流れ

一般社団法人の設立手続きは、他の法人格と比較して容易です。

しかし、個人事業の立ち上げと比較すると複雑で、馴染みのない手続きも多いため、事前に大枠の流れを確認しましょう。

一般社団法人の設立の流れは大きく以下の通りです。

  1. 1.設立時理事・社員の選任
  2. 2.定款の作成
  3. 3.定款認証
  4. 4.登記申請
  5. 5.各種公的機関への届出

それぞれの工程を解説します。

1.設立時理事・社員の選任

一般社団法人の設立を発起したら、設立時の理事と社員を選任します。

社員は2名(法人や団体でも可)、理事は1名以上必須で、社員と理事は兼任も可能です。

つまり、最小でも2名の人員を確保する必要があります。

また、監事や設立時会計監査人を置く場合も同様に選任してください。

理事は1名いれば問題ありませんが、理事会を設置する場合は3名以上必要です。

理事会や会計監査人を置く場合は、監事の選任が必須となる点にも留意してください。

2.定款の作成

次に、2名以上の社員が共同で定款を作成します。

定款とは、一般社団法人の運営上守るべき規則を記載したものです。

以下のような項目が記載されます。

  • 事業目的
  • 商号
  • 本店所在地
  • 発起人の氏名・住所 など

一般社団法人の設立では必ず定款の作成と認証(後述)が必要です。

そして、定款に沿って法人を運営することになります。

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3.定款認証

定款を作成したら公証役場で定款認証を受けます。

定款認証とは、作成した定款の正当性を公証人が証明するための手続きです。

手続き先の公証役場は、本店所在地と同一の都道府県にある公証役場です。

定款は3通用意することが一般的で、手数料として5万円を要します。

株式会社や合同会社の場合は、4万円分の収入印紙を貼る必要がありますが、一般社団法人の場合は不要です。

定款認証については「法人設立に必要な定款認証とは|手続きの流れや費用・注意点を徹底解説」で詳しく解説しています。

4.登記申請

定款の認証が完了したら、法務局で設立登記を行います。

法人登記とは、法人の基本情報を公的な記録として登録する手続きです。

申請方法は以下の3つです。

  • 窓口に足を運ぶ
  • 簡易書留等で郵送
  • 法相のオンラインシステムを活用

個々の都合に合わせて選択してください。

登記申請時は登録免許税6万円を要します。

法人登記については「法人登記とは?法務局での手続きや必要書類などをわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

5.各種公的機関への届出

登記申請が完了したら法人の設立は完了です。

しかし、登記後にも以下のような各種公的機関への提出書類が必要です。

  • 税務署
  • 都道府県
  • 市区町村
  • 年金事務所
  • ハローワーク・労働基準監督署 など

提出書類は従業員の有無によっても変わるため、手続き漏れがないようにしましょう。

会社設立後の手続きについては「会社設立後・起業後に必要な手続き・必要書類とは?提出先や対象者、期限を解説!」をご覧ください。

また、必須の手続きではありませんが、法人口座の開設もおすすめです。

法人口座があれば、寄付を受ける場合の信用力が高まるためです。

法人口座については「法人口座とは?個人口座との違いや銀行の種類、必要書類、開設の流れ等を解説」で詳しく説明しています。

一般社団法人に関するよくある質問

ここでは、一般社団法人に関するよくある質問にご回答します。

一般社団法人の設立で必要な費用は?

一般社団法人の設立では「約112,000円」の費用が必要です。

内訳を紹介します。

定款認証費用 50,000円
法人登記時の登録免許税 60,000円
定款の謄本手数料 約2,000円
合計 約112,000円

その他に、法人印鑑の作成費用や印鑑証明書・登記簿謄本の取得費用、専門家への報酬(依頼する場合)が発生します。

一般社団法人の略称・略語は?

一般社団法人の略称は「一社」です。

また、銀行振込の名義などで使われる略語は「シャ」となります。

まとめ

今回は、一般社団法人の概要やメリット・デメリットなどを他の法人格と比較しながらご紹介しました。

一般社団法人は公益性が高い事業や協会ビジネスにおいて選択させる傾向があり、利益追求を前面に押し出さず法人化する場合などに有力な選択肢となります。

一般社団法人のメリットを最大限に活かせれば、比較的自由に事業運営ができ、税制面でのメリットも受けられます。

結果として、活動をより柔軟かつ効率的に行えるでしょう。

しかし、一般社団法人以外にも法人格を有する形態は複数あります。

メリット・デメリットを踏まえて、自分に合った法人形態を選択してください。

この記事の執筆者

久田敦史

久田敦史

株式会社ナレッジソサエティ 代表取締役

バーチャルオフィス・シェアオフィスを通して1人でも多くの方が起業・独立という夢を実現し、成功させるためのさまざまな支援をしていきたいと考えています。企業を経営していくことはつらい面もありますが、その先にある充実感は自分自身が経営をしていて実感します。その充実感を1人でも多くの方に味わっていただきたいと考えています。

2013年にジョインしたナレッジソサエティでは3年で通期の黒字化を達成。社内制度では週休4日制の正社員制度を導入するなどの常識にとらわれない経営を目指しています。一児のパパ。趣味は100キロウォーキングと下町の酒場めぐり。

【学歴】
筑波大学中退
ゴールデンゲート大学大学院卒業(Master of Accountancy)

【メディア掲載・セミナー登壇事例】
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