現在は、高校生起業の支援プログラムやビジネスコンテストの開催、起業で必要な知識を学べる学校など、高校生の起業を応援する取組みも多いです。
実際に高校生で起業をして、大きな成功を成し遂げている方も存在します。
高校生は知識やスキルの吸収が速く、早い段階で経験を積めれば、高校卒業後のビジネスでも大きなアドバンテージとなります。
しかし高校生の起業には、他にはない注意点があることも事実です。
起業を成功させるためにも、注意点や事業運営のポイントなどを適切に理解しましょう。
本記事では、高校生で起業する方法や注意点、おすすめの起業アイデアなどを解説しています。
最後には、実際に高校で起業した方の成功例も紹介しているため、ぜひご覧ください。
目次
高校生でも起業ができる
未成年者である高校生であっても、個人事業主や法人経営者として起業ができます。
ただし高校生で起業するには、親権者の同意が必要となる点に注意が必要です。
民法の第五条・第六条では、法定代理人(親権者)の同意を得ることで未成年の高校生でも法律行為を行える旨が明記されています。
(未成年者の法律行為)
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。
(未成年者の営業の許可)
第六条 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
2 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。
法人の設立で必要な定款認証や設立登記は「法律行為」に該当します。
また、未成年者が個人事業主として開業する際に必要となる「未成年者登記簿」の申請には、法定代理人(保護者)の許可が必要です。
そのため、どのような形であれ高校生が起業を行うには、保護者の同意が必須となる点に留意してください。
高校生の起業志望率は大学生よりも高い
株式会社ペンマークが実施した調査によれば、大学生の起業志望率が約12.4%である一方で、高校生の起業志望率は約14%という結果が出ています。
また、事業形態では「スタートアップとして自分で事業を起こしたい」と考える方が55.3%、フリーランスやインフルエンサーのように「スモールビジネスをしたい」と考える方が47.9%です。
加えて、興味のある仕事としてITやエンジニア系の職種が人気である旨の結果も出ています。
高校卒業後の進路は「就職」か「大学進学」のいずれかと考えている方も多いですが、起業支援プログラムやビジネスコンテストが身近な昨今においては、起業も選択肢の1つとなるでしょう。
参考:【高校生13万人調査 Vol.3】高校生の起業志望率は約14%、大学生(約12.4%)を上回る。
起業で成功する高校生の特徴
ビジネスを立ち上げたら、年齢や経歴に関係なく同じ土俵で戦う必要があるため、周りの高校生とは異なる意識や行動指針が必要となります。
ここでは、起業で成功する高校生の特徴を4点解説します。
早い段階で行動している
高校生の起業で成功している方は、目的の達成に向けて早い段階から行動しているケースが多いです。
高校生活では部活動やアルバイトなど、自分の自由にできる時間や選択肢が大きく広がります。
自由にできる時間を起業に向けて集約し、早い段階で行動を始めることが高校生の起業で成功するために大切です。
また「具体的な事業アイデアがない」といった場合は、自由にできる時間の中で、興味のある業界や事柄を見つけることも重要となります。
中には、高校生になって初めて起業を思い立つのではなく、中学生の頃から会社経営者に興味を持ち、商品販売や商品開発にチャレンジした経験がある方もいます。
早い段階から起業を意識した行動を取り、高校生で起業を行うためのノウハウが習得できている状態を作れれば、更に有利に事業を展開できる要因となるでしょう。
年代が違う層と積極的に交流している
高校生の起業で成功している方は、同年代の友人だけでなく、年代が異なる大人と積極的に交流しているケースが多いです。
顧客や取引先の多くは上の年代の大人であるため、ビジネスマナーや言葉遣い、コミュニケーション能力に欠けていると機会損失の原因となります。
また、起業を行うと大人の考えによって作られた社会の中で戦うこととなるため、大人やビジネスの世界がどのような考えの下で動いているかの把握が重要です。
加えて、高校生は通常の起業家と比較して、資金や経験、人脈、ノウハウといった様々な点で後れを取りやすいです。
その際に、自分の味方になってくれる大人との繋がりを有していれば、様々な点で起業のサポートを受けられるでしょう。
同年代とは違う経験を有している
高校生での学生起業という決してメジャーではない選択肢を選んで成功している方は、同年代とは異なる経験を有しているケースが多いです。
具体的には「身近に起業家がいる」「海外での生活経験がある」「学校の外での活動に力を入れている」などです。
同年代にはない価値観や知識を有していれば、柔軟性や新たな視点を持って事業プランを決めやすくなります。
また、特別な経験がない場合でも、自分の価値観の構築や知識の習得に繋がる行動を積極的に取れる方が成功に近付くといえるでしょう。
自分の強み・弱みを把握している
高校生で起業して成功する方は、自分の強みや弱みを適切に理解しています。
自分の強みや弱みを把握していれば、自分が顧客に与えられる価値や事業戦略、これからやるべきことなどの明確化が可能です。
仕事とは「誰かの悩みの解決」で成り立ち、起業の成功は「悩みを解決する方法」がポイントとなります。
そのため「誰かの悩みを解決するために活かせる強み」や「顕在化の可能性がある弱み」などを明確にして事業プランを立てることが大切です。
今は自分自身の強みが分からない場合は、自己分析が起業に向けての第一歩となるでしょう。
高校生の起業の強み
高校生の起業には以下のような強みがあります。
・柔軟に物事を考えられる
・流行の変化に強い
・若いうちから経験を積める
これらの強みを十分に活かせれば、起業の成功に大きく近付けるでしょう。
柔軟に物事を考えられる
高校生は社会に染まっていない分、固定概念に囚われず、柔軟に物事を考えられます。
固定概念に囚われない柔軟な視点で物事を考えられれば、これまでにない視点や解決策によって新たなビジネスを生み出せる可能性があるでしょう。
既存のビジネスモデルに新たな考えを加えて差別化する選択肢も生まれるため、起業においては大きな武器となります。
流行の変化に強い
流行の変化に強い点も、高校生の起業家の強みです。
現代の高校生は、IT技術の急激な発達の中、当然のように適応して生活をしています。
一方で40代や50代となると、新たな技術や常識に苦手意識や抵抗感を持つ方も多いです。
新たなビジネスチャンスは流行の中で生まれることも多々あるため、流行を負担なく受け入れて、自分の知識や常識の一部にできる高校生は、起業において大きなアドバンテージとなるでしょう。
若いうちから経験を積める
会社員として雇用される働き方と、経営者としてビジネスを展開する働き方は大きく異なります。
起業では、経験の差が業績に繋がるケースも多いです。
そのため、高校生という早い時期からビジネスの経験を積めることは、中・長期的に起業家として活躍すると考えた際に大きなアドバンテージとなります。
また、将来的に就職の選択肢を取る場合でも、高校生で起業した経験は大きく役に立ち、入社を目指す企業からもプラスの評価を得られるでしょう。
高校生の起業で生じる注意点・問題点
一方で高校生の起業には、注意点や成功に立ちはだかる壁があることも事実です。
以下では、高校生の起業で生じる注意点や問題点を紹介しているため、起業前に必ず確認しましょう。
両親の理解が必要
上述した通り、高校生の起業には親権者の理解が必須です。
中には「起業には借金のリスクある」「将来の収入が不安定になる」などのマイナスのイメージを持つ方も多いです。
また、保護者は子供の安全を守るために「リスクを取ってほしくない」「大学進学はどうするのか」といった様々な不安を持つ可能性もあるでしょう。
そのため、両親の理解は高校生の起業にとって難しい課題といえます。
起業したい高校生は、親が抱くこれらの心配や疑問に対して、一つ一つ真摯に応えていきましょう。
自分がやりたいことや将来のビジョンなどを理論立てて説明することで、両親の理解を得やすくなります。
また、感情やイメージだけでなく、自分が行うビジネスやこれからの展望について、数字を用いた理論性を持って説得の準備を行うことが大切です。
起業資金の準備が難しい
高校生の起業では、資金面も大きな課題となります。
安定した収益がない学生は、起業資金が手元にないケースがほとんどであるため、以下のような対策を取る必要があります。
・費用がかからない事業プラン・起業形態を選ぶ
・両親や親族からの支援を受ける
・ビジネスコンテストやクラウドファンデイングで資金調達を行う
現在は初期費用をほとんどかけずに起業できる選択肢も多いです。
将来的なリスクを減らすためにもおすすめします。
しかし、一切の費用をかけないことは現実的でありません。
法人を立ち上げる場合は約22万円の設立費用を要し、ネット起業であってもパソコンや通信環境を整える必要があります。
そのため起業で必要な資金を抑えつつも、正確な必要資金額を算出して、資金調達の手段を選びましょう。
大人と比較して経験で劣る
当たり前ではありますが、高校生は大人の起業家と比較して経験値で劣ります。
大人が当然に習得しているビジネススキルやマナー、業界の慣習が、取引先や顧客との契約に繋がるケースも多いです。
商品やサービスの質が高くてもビジネスの常識が欠けていると、相手方に不快感を与える要因となり、取引に悪影響を及ぼす可能性もあります。
経験については、実際にビジネスを経験しながら積むしかありませんが、基本的なスキルやマナー、業界の慣習などは事前に必ず勉強しておきましょう。
学業との両立が必要
高校生が起業する場合、開業後も学業と両立できるかを考える必要があります。
会社経営では、実際の業務以外にも商談や営業などで多くの時間を要するため、学校の勉強に取れる時間が減少します。
起業した結果学業の成績が低下すると、両親からの理解を得られなくなる可能性も生じるため注意が必要です。
また、高校生で起業をしても大学進学の選択肢は残っているため、幅広い選択肢を残すためにも学業を疎かにしてはいけません。
そのため、起業前に学業と事業運営を両立させるための計画を入念に立てましょう。
効率性を求めることは当然ですが、1日の学習時間や事業運営に費やす時間を計算して、どちらも真剣に取り組める体制の確立が重要となります。
高校生の起業の起業形態
一言で起業といっても、形態は「個人事業の開業」と「法人設立」に分けられます。
ここでは、高校生の起業形態を解説します。
個人事業主として開業
個人事業主とは、管轄の税務署に対して開業届の提出を行った事業主を指します。
法人の設立と比較して、以下のようなメリットがある点が特徴です。
・開業手続きが容易
・開業に費用がかからない
・所得が少ないと税率も低い
経済的な負担を抑えられ、売上が少ない時期は節税にも繋がるため、基本的には個人事業主としての開業がおすすめです。
デメリットとして「社会的信用力の低下」などが挙げられますが、後から法人化もできるため、最初から法人設立というリスクを取る必要はありません。
個人事業主については以下の記事で詳細に解説しているため、ぜひご覧ください。
法人設立
法人設立とは、法務局に登記を行って「株式会社」や「合同会社」などで事業運営を行う形態です。
高校生が法人を設立して起業を行う最大のメリットは「社会的信用力を得られる」点です。
社会のイメージでは、高校生というだけでビジネスについての信用力を低く見られる可能性があります。
また、中には法人としか取引をしない企業も存在します。
そのため、法人として起業を行い社会的信用力を高めることで、機会損失の防止が可能となるでしょう。
しかし、法人設立には定款認証といった手続きや公的な費用が発生します。
加えて、利益が出ない時期は税負担が重くなりやすいため、今すぐではなく、将来的な選択肢として考えることがおすすめです。
法人の形態は様々ですが、高校生の1人起業には費用や公的手続きを抑えられる「合同会社」が向いています。
合同会社については、以下の記事で詳細に解説しています。
高校生にもおすすめの起業アイデア
高校生の起業ではスモールビジネスかつマネタイズしやすい事業プランがおすすめです。
以下では、高校生にもおすすめの起業アイデアを6つ紹介します。
アプリ開発
現在は、情報の授業やプログラミングスクールなど、高校生がプログラムを学べる環境が非常に発達しています。
企業が主催のプログラミングコンテストといったイベントも存在するため、アプリ開発で必要なスキルの習得を目指しやすいです。
アプリ開発であれば初期費用を抑えられ、ビジネスのプロセスも比較的シンプルであるため、高校生の起業でも十分に利益を目指せます。
また、IT分野は現在急激に成長している市場でもあるため、将来を見据えた場合も有力な選択肢となるでしょう。
動画編集
現在は、動画を用いたマーケティング手法を取る事業者や、動画配信サイトを用いた広告収益を得る方が多いです。
そのため、動画編集も需要のある事業内容となっています。
動画の編集依頼を受け、納品することで報酬を得られるため、シンプルな流れで利益を出せます。
また、初期費用も少なく、クラウドソーシングサービスなどを活用すれば、比較的簡単に案件の受注ができるため、高校生にもおすすめの起業アイデアといえるでしょう。
Webサイト運営
Webサイト運営とは、自身でWebサイトを運営して、アフィリエイト収益や広告収益を得るビジネスモデルです。
Webサイト運営は自分の時間を売るようなビジネスモデルではないため、アクセス数を集められれば莫大な利益も目指せます。
また、Webサイトの運営を続けることで、Webを用いたマーケティングや顧客分析といった将来役立つスキルを習得可能です。
加えて、パソコンと数千円の初期費用があれば始められ、固定費も月々1,000~3,000円程度で済む点も魅力です。
ただし、他の職種と比較して、収益が発生するまで中・長期的な期間を要する傾向がある点に留意してください。
SNS運用
SNS運用とは、クライアントの代わりにSNSアカウントを運用するビジネスアイデアです。
X(Twitter)やInstagramといったSNSを普段から頻繁に利用する高校生に向いている職種といえます。
クライアントの主な目的は「顧客を増やす」「フォロワー数を増やす」などです。
そのため、ただ情報を発信するだけでなく、企業のターゲットに興味を持ってもらえる内容を投稿する必要があります。
SNS運用のスキルを伸ばせれば、マーケティングや顧客分析の能力も習得できるため、将来のビジネス展開にもメリットの大きなアイデアといえるでしょう。
ネットショップ運営
ネットショップ運営は、インターネットを通じて商品を販売する起業アイデアです。
現在はEC市場が拡大傾向にあり、ネットショップであれば全国の顧客をターゲットにできます。
家賃等の支払いも不要であるため、少ない初期費用・固定費で運営ができ、ニッチな商品でも勝負が可能です。
また、店舗型の小売業とは異なり24時間営業ができるため、学校帰りや土日だけの運営でも十分に利益を目指せます。
ネットショップ運営については以下の記事で詳細に解説しているため、興味のある方はぜひご覧ください。
イラストレーター
イラストを描くことが趣味といった場合は、延長線としてビジネスに結び付ける手段も有力です。
イラストレーターとして収益を得る方法は大きく以下の2つです。
・顧客の依頼に沿ってイラストを作成する
・自身のファンを増やしてサブスク収益などを得る
これらを並行して進める手段もおすすめです。
特に、ファンを増やしてストック型の収益を得られれば、収益の安定性が向上するだけでなく、青天井な利益も目指せます。
また、イラストレーターに限らず、趣味の中で得たスキルや知識をビジネスに結び付けられるケースも多いため、自分の強みやスキルを再確認しましょう。
高校生が起業する方法・流れ
個人事業の開設や法人の設立の前には、入念な起業準備を行うことが大切です。
ここでは、高校生が起業する方法や流れを解説します。
1.事業プランの選定
高校生が起業をすると決めたら、最初に事業プランを選定します。
事業プランの選定を行う際は、質よりも数を重視してアイデアをどんどんアウトプットしていきましょう。
最初は質や実現性などを考える必要はありません。
自分の強みやスキル、興味などと関連付けるとアイデアを出しやすくなります。
また、既存のビジネスモデルを参考とすることもおすすめです。
一通りアイデアを出しきった段階で、取捨選択もしくは複数のアイデアを組み合わせて、実際にビジネスとする事業プランを決定しましょう。
2.事業計画書の作成
次に、選定した事業プランについて事業計画書を作成します。
事業計画書とは、今後ビジネスをどのように展開するかを記載したものです。
事業の概要やコンセプト、商品・サービスの内容に加えて、販売戦略や財務計画、市場調査の結果などもまとめます。
そして、想定できる売上や費用、財務計画などを基にして「本当にビジネスとして成功できるか」を確認しましょう。
この段階で利益が出なければ、起業の成功確率は著しく低いため注意が必要です。
シミュレーション上で赤字の場合は、事業プランの再選定や改変をしてから、再度事業計画書の作成を行いましょう。
事業計画書については以下の記事で詳細に解説しています。
3.両親の説得
両親の説得については、起業を行うと決めた直後でも可能ですが、おすすめは事業計画書を作成した後です。
綿密な事業計画書を説得の材料に用いることで、実現性や熱意を伝えることができます。
高校生の起業では、両親の納得なしに事業を始めることはできません。
事業計画の内容に加えて、将来の展望や自身の夢などを踏まえて説明を行い、理解を得られるようにしましょう。
4.スキル・知識の習得
両親からの理解を得たら、事業プランに必要なスキルや知識の習得を行います。
事業内容に直結するスキルについては当然ですが、経営者としてのマインドや集客に関する知識、企業の運営方法なども起業前に覚えるべき重要な知識です。
しかし、起業前の勉強に時間をかけすぎてもいけません。
事業を運営していく中で得られる知識も多いため、起業前に習得するスキル・知識と、事業を経験しながら身に付けるスキル・知識を明確にして準備を進めましょう。
起業前に勉強すべき知識については、以下の記事で詳細に解説しています。
5.開業手続き
開業手続きは、起業形態が個人事業主か法人かによって異なります。
【個人事業主の開業手続き】
管轄の税務署に対して開業届の提出
【法人の開業手続き】
1.定款の作成
2.定款認証(株式会社の場合)
3.資本金の振込み
4.登記申請
自身の起業形態に適した手続きを行いましょう。
高校生の起業で成功するためのポイント
起業で成功するためには、適した事業計画や起業準備が重要となります。
ここでは、高校生の起業で成功するためのポイントを5点解説します。
スモールビジネスで起業する
高校生の起業では、スモールビジネスがおすすめです。
スモールビジネスとは、莫大な開業費用や固定費を要さない規模が小さい起業を指します。
スモールビジネスには以下のようなメリットがあります。
・失敗時のリスクが少ない
・少ない売上でも利益が出る
・ニッチな市場を選びやすい
また、起業資金を抑えられるため、資金調達が課題となる高校生の起業にもピッタリです。
将来的に大規模な事業を目指す場合でも、スモールビジネスでビジネスに関する経験や資金を得てからで遅くはありません。
スモールビジネスについては、以下の記事で詳細に解説しているため、ぜひご覧ください。
マネタイズしやすいプランで起業する
高校生の起業では、マネタイズしやすい事業プランがおすすめです。
高校生の起業の弱点には「経験や情報量が少ない」が挙げられます。
外部要因や技術革新に大きく影響される事業内容であると、経験や情報量の差から不利になる可能性が高いです。
そのため、高校生の起業における最初の事業内容では、シンプルな流れで着実に収益をあげられる起業アイデアを選択しましょう。
そして、事業運営を通じて着実に経験や情報を得た後に、拡張性や変化に富んだ事業を始める流れがおすすめです。
人脈形成を行う
高校生の起業では、事業の立ち上げ前に人脈形成を行うことがおすすめです。
経験や情報が少ない高校生にとって、アドバイスをくれる起業家や支援をしてもらえる大人が味方にいると、起業の成功確率が大きく向上します。
起業家の交流会やセミナーなどを積極的に活用して、起業家同士の繋がりを広めましょう。
人脈形成を行う際は、自身の名刺を作成したうえで自己紹介ができれば、スムーズに話を行えるでしょう。
高校生起業の支援プログラムを活用する
現在は、高校生を対象とした起業の支援プログラムが豊富に実施されています。
起業の支援プログラムの活用によって、事業内容のブラッシュアップや人脈形成、起業ノウハウの習得などが可能となります。
具体的には以下のようなプログラムです。
・起業スタートダッシュ(東京都)
・BLAST! SCHOOL(一般社団法人留学エール)
・EGG(認定NPO法人 very50)
・GTE 起業力塾(一般社団法人カピオンエデュケーションズ)
無料で実施されているプログラムも多いため、起業準備として取り入れることも非常におすすめです。
ただし、定員が定まっているプログラムについては一定の選考が行われるため、必ず参加できるとは限らない点に留意してください。
ビジネスコンテストへの参加も検討
ビジネスコンテストとは、起業を目指す方などのビジネスアイデアを競うコンテストです。
書類審査やプレゼンテーション審査が実施され、ビジネスコンテストを通じて起業アイデアのブラッシュアップが可能となります。
また、入賞賞金が提供されるビジネスプランコンテストがある点も特徴です。
ビジネスコンテストで賞金を得られれば起業資金として活用できるため、意思決定の選択肢や事業プランの幅が広がるでしょう。
ビジネスコンテストは都道府県や市町村、民間企業など幅広い機関で実施されており、高校生を対象とした部門が設置されているケースもあるため、自分の環境に適したものがないかを確認しましょう。
参加のメリットやおすすめのビジネスコンテストについては以下の記事で詳細に解説しているため、興味がある方はぜひご覧ください。
現在は起業に力を入れている学校も多い
現在は起業の教育に力を入れている学校も多いです。
起業という明確な目標がある場合は、起業について学べる学校へ入学・転入する選択肢もあるでしょう。
ここでは、起業に力を入れている学校の例を3つ紹介します。
神山まるごと高専
神山まるごと高専は、徳島県神山市に位置する高専(高等専門学校)です。
起業家精神やテクノロジー、デザインといったカリキュラムが実施されており、卒業すると準学士の称号を得られます。
アクティブラーニングやPBL形式授業、グループワークなどのアウトプットが多い実践的な講義内容となっており、起業家講師から指導を受けられるため、実際の起業後で役立つ知識やスキルを習得可能です。
全寮制の学校となっている点も特徴であり、共同生活の中でコミュニケーション能力や協調性も得られるでしょう。
参考:神山まるごと高専
N・S高等学校
N高等学校・S高等学校は全国にキャンパスを展開する通信制高校です。
N高等学校・S高等学校には様々なネット部活が設置されており、その中の1つに「起業部」が存在します。
部活動ではありますが、起業に必要な知識や姿勢、マインドなどを学べる専用プログラムが導入されており、専門性の高いアドバイザーからの指導を受けられます。
更に、部活動費として年間最大1,000万円が用意されており、実際にプロジェクトを進行させることが可能です。
N高等学校・S高等学校には、ネットコースや通学コースなどの多様なコースが設置されており、転入の受け付けもあるため、今の環境を変えて起業を学びたい方にもおすすめです。
サイル学院高等部
サイル学院高等部は、オンライン学習で講義が行われる通信制高校サポート校です。
サイル学院高等部は、ゼロから起業・ビジネスを学びながら高校卒業を目指せる環境が整っており、独自のカリキュラムを用いて起業に必要な知識や起業家精神などを習得できます。
また、就職活動や大学進学のサポートも受けられるため、入学したら必ず起業をしなければならないわけではありません。
専門家からの指導や課外授業、年1回のスクーリングなどを通じて自分に合った進路選択に繋げられる環境といえるでしょう。
参考:通信制ならサイル学院 | 自宅から徒歩0分!全国から転入学できるオンラインの学校
高校生の学生起業の成功例
実際に高校生で起業して、大きな成功を成し遂げた方も多いです。
ここでは、高校生の学生起業の成功例を4つ紹介します。
三崎優太(株式会社みさきホールディングス 代表取締役社長)
三崎優太氏は、株式会社みさきホールディングスの創業者 代表取締役社長です。
三崎氏は高校の頃にアフィリエイトビジネスを始め、最終的に月商400万円を達成しています。
最初は1人でサイトを運営していましたが、すぐに月10万円の利益を達成したことから、徐々に仲間を増やして規模の拡大を図りました。
そして、税金対策のために「株式会社メディアハーツ」を設立。
高校卒業後は就職をせずに事業運営を進め、現在は実業家として活躍しています。
アフィリエイトという初期費用がかからないビジネスは、高校生の起業にも大いに向いているといえる例です。
椎木里佳(株式会社AMF 代表取締役社長)
椎木里佳氏は、株式会社AMFの創業者 代表取締役社長です。
椎木氏は中学3年生の2月に株式会社AMFを設立し、高校生社長として注目を浴びました。
父親に「株式会社ディー・エル・イー代表取締役CEO 椎木隆太氏」がおり、サポートを受けられる環境であった点が大きな強みといえるでしょう。
また、中学3年生で起業を行った椎木氏ですが、高校卒業後も大学進学を選択しました。
大学生として得られる経験を重要視して、学業とビジネスを両立し、大学卒業後の現在も企業運営を続けています。
参考:株式会社AMF
想空(株式会社SOS 代表取締役)
想空(そそら)氏は株式会社SOSの代表取締役で、中学3年生の時に自己資金で起業を行った実績があります。
文房具などに企業の広告を入れて、児童施設などに無償配布を行うビジネスモデルを採用。
利益の10%は募金しているようです。
また、コドモSOSを随時受け付けていることからも、社会貢献性が非常に高い企業といえます。
青春が優先というポリシーの下、学生の間は勉強や部活、遊びを優先し、放課後と土日のみ働く形でビジネスを展開しています。
このような働き方ができる点も高校生起業の特徴の1つといえるでしょう。
参考:株式会社SOS
村上太一(株式会社リブセンス 代表取締役社長)
株式会社リブセンスの創業者 代表取締役社長である村上太一氏は、中学卒業時には起業を意識しており、高校3年生で実際に起業準備を進めました。
また、物心がついた時から、社会や人に好影響を与えたいという思いがあり、小学校との時には既に友人に自分が作った商品(ストラップ)を売る行為を行っていました。
後のインタビューによれば、村上氏は文化祭で人や組織の動かし方を学んだといいます。
高校生の行事1つであっても、起業に意識を向けていれば、自分のスキルやノウハウに繋がる例といえるでしょう。
加えて、本を読める環境が起業に役立ったとの話もあります。
高校生であれば図書館に多彩な書籍が並んでおり、無料で利用ができるため、自身が有する環境を最大限に活かすことが重要といえます。
参考:株式会社リブセンス
まとめ
今回は、高校生で起業する方法や成功のポイント、おすすめの起業アイデアなどを解説しました。
高校生の起業は流行の変化に強く、若いうちから経験を積めるといった強みがある一方で、親権者の説得や経験不足といった壁があることも事実です。
高校生の起業で成功するためにも、高校生ならではの強みと弱みを理解して、入念な起業準備を進めましょう。
実際に高校生で起業して成功した例は数多くあります。
自分で起業をしたいと決めたら、早速行動に移してはいかがでしょうか。
この記事の執筆者
久田敦史
株式会社ナレッジソサエティ 代表取締役
バーチャルオフィス・シェアオフィスを通して1人でも多くの方が起業・独立という夢を実現し、成功させるためのさまざまな支援をしていきたいと考えています。企業を経営していくことはつらい面もありますが、その先にある充実感は自分自身が経営をしていて実感します。その充実感を1人でも多くの方に味わっていただきたいと考えています。
2013年にジョインしたナレッジソサエティでは3年で通期の黒字化を達成。社内制度では週休4日制の正社員制度を導入するなどの常識にとらわれない経営を目指しています。一児のパパ。趣味は100キロウォーキングと下町の酒場めぐり。
【学歴】
筑波大学中退
ゴールデンゲート大学大学院卒業(Master of Accountancy)
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