今日からこのブログの担当の1人となりました川名です。
起業家のみなさんの瀬戸内寂聴目指しております!
さて、このブログ、なんか統一性がないとイカンな、ということで、毎回数字で語ってみることにしました。最初はこれ、「10年後に3割、20年後に5割」ん?怪しいまち金融の利息か~?んなことはありません。
実は2011年の『中小企業白書』(ネタ元は帝国データバンク)で紹介されていた「企業の生存率」なのです。実に起業した後、10年後には約3割の企業が、20年後には約5割の企業が廃業や倒産しており、起業しても後の淘汰が厳しい状況にあるという数字。
ヒぇ~。業界によってはもっと早くに無くなっている。飲食業なんて、「あれ?この前あったはずの居酒屋がもう無くなっている!」なんて、街中じゃあよくある話。
一方、そうはいっても実はこのニッポン、同じく帝国データバンクさんの「長寿企業の実態調査(2013年)」によれば、業歴が100年以上の「長寿企業」は、2万6,144社。世界最多を誇っているんですよね。
特に2年前の2012年は、大正元年(1912年)からちょうど100年。明治末期から大正初期の好景気にのって、1912年は新しい元号になるとともに起業ブームだったようです。「大正」が社名に付く企業、ちょっと思い浮かべてみてくださいよ。
さて、なんでこんな話になったかというと、実は先週、山梨県の富士山麓にある古くからの繊維産地、郡内地方に視察にいったのです。江戸時代から続く甲斐絹(かいき)の産地で、着物の裏地に始まり、今では高級日傘やネクタイなど、アジアの安い製品とは一線を画した技術とデザインで勝負しているのです。そこには3代目どころか6代目ですなんていう若手後継者たちが何人も、ハタオリに誇り持って事業を営んでいる。感動しました。
100年生き延びるのは難しい。でも生き延びてきたその多くは何代にもわたって同じファミリーが受け継ぎ、守り、発展させていった企業でもあるのです。
これから創業する人たち、創業したての人たちには誰に継がせるか、継がせたいかなんて全く実感が沸かないかもしれないでしょうが、でもね、家族の存在ってのは創業時にはホントに大切です。
ちょっと商売が調子悪くなっても、なんだかんだ文句いいつつ付いてきてくれる。身内って大切ですよ。そしてそういう姿見てきた息子・娘たちはちゃんと分かっているんです。お父ちゃんお母ちゃんがすごい!ってことを。実際、これまでに会った伝統産業の若年後継者たちはみんな幼少から商売の酸いも甘いも見て育っている。近くでありのままの姿見てきたから家業に誇り持って守っていきたいんですと。泣ける・・・。
100年続く企業、そのためには最初の1年、3年、10年、まずは目標少しずつ刻んでいきましょうね。
川名 和美