ビジネスにおけるお断りメールのマナーと書き方・例文まで徹底解説!
[投稿日]2019/06/28 / [最終更新日]2023/08/03
ビジネスにおいて、さまざまな理由で取引先にお断りメールを送ることは、珍しくありません。採用試験の選考の結果・採用を見送ったり、美容室の席が用意できず予約をお断りしたりするなど、職種や業種に限らず、お断りメールを送る機会は多いでしょう。
そして実際に、ビジネスにおいて何らかの断りを入れる場合は、相手に失礼のない丁寧なお断りメールを作成することが大切です。
そこで今回は、「ビジネスでお断りメールを送る際のマナーや注意点」と、「お断りメールの例文」を紹介します。
目次
1.ビジネスにおけるお断りメールのマナーについて
ビジネスは、相手との信頼関係を築くことで成り立っています。そのため、角が立つようなお断りメールを送ってしまっては相手との信頼関係が崩れ、今後の取引に影響する可能性があります。ビジネスにおけるお断りメールを送る際は、相手とより良い信頼関係を築くためにも、ビジネスマナーを意識した丁寧な文章を作成しましょう。
お断りメールとひとくちに言っても、相手に不快な思いをさせないためのマナーがいくつか存在します。ビジネスにおけるお断りメールを送る際は、下記のポイントおさえた上で、文章を作成しましょう。
- お断りの前に依頼や採用試験などに対するお礼を添える
- お断りの理由を文章の前半に挿入する
- 誠意を持って取り組んだ旨を伝えつつお詫びする
お断りメールの文章を作成する際は、お断りする内容に対して誠意を見せることが重要です。端的に断るのではなく、直前まで誠意を持って取り組んだことが分かる文言を添えましょう。
誠意の感じられる文言が入っていることで、相手は気分を害さずにお断りの旨を受け入れてくれます。また、誠意を見せるだけでなく、謝罪の言葉も忘れずに添えることも大切です。
2.相手を不快にさせないお断りメールの書き方
メールを用いてお断りの理由を伝える際は、慎重に言葉を選んで文章を作成する必要があります。メールは電話とは異なり、相手の表情や声色が直接伝えることができません。
相手と自分では、ものの捉え方や考え方などは、必ずしも同じではないことを理解し、相手を不快にさせないお断りメールを作成することが大切です。
ここでは、相手を不快にさせないお断りメールの書き方について、具体的に紹介します。
2-1.言葉遣い・言い回しに注意する
お断りメールは、ただ丁寧な言葉で簡潔な文章を書くだけでは、冷たい印象を与える可能性があります。反対に、お断りをするといった1文のみでは、相手に誤解を与えかねません。
また、相手に誤解を与えないことを意識するあまり、回りくどい言い回しをしてしまう場合もあります。回りくどい言い回しをしてしまうと、お断りする旨がはっきりと相手に伝わらず、今後の付き合いに亀裂が生じる可能性も少なくありません。
お断りの旨をメールで伝える際は、必要事項は簡潔に伝え、クッション言葉を挿入しましょう。「恐れ入りますが」「誠に恐縮ですが」など、送り手も非常に心苦しく思っていることが伝わるような文章を作成することで、相手に不快な思いをさせずにお断りすることができます。
2-2.断る理由を簡潔に伝える
お断りする理由は、短時間で趣旨が伝わるように文章を構成することが大切です。例えば、相手に催促する場合は、「なぜ断ったのか」「なぜ急ぐ必要があるのか」など、お断りの理由をはっきりと伝える必要があります。
お断りの理由が簡潔に書かれていなければ、相手に再確認の手間をとらせてしまうため、お断りの理由を添える際は、相手が納得する内容を簡潔に書くことがポイントです。相手に余計な手間や時間を取らせないよう、明確な理由を伝えましょう。
2-3.次の機会に繋げる言葉を入れる
お断りメールの最後には、今後も変わらぬお付き合いを続けたいという気持ちが伝わるような文章を添えましょう。
お断りメールは、相手の希望に添えないことをお詫びするメールのため、スケジュールの調整をすることで、相手の希望を受け入れられる場合は、代替案を提示しましょう。提示した案を採用してもらえれば、取引は途絶えずに済みます。
また、次の機会に繋げる言葉として、今後の取引についてだけではなく、目先の問題についての対処法を提示する内容を添えることもおすすめです。問題についての対処法を提示することで、誠意を見せることができ、より良い信頼関係に繋げることができるでしょう。
重大なミスで相手に迷惑をかけた場合は、「後日、改めてお詫びに伺わせていただきたく存じます」などの文言を挿入することで、印象を大きく変えることができます。
3.【シーン別】お断りメールの例文2選
お断りメールの文中には、依頼やお誘いなどの内容に対し、お礼とお断りする事実への謝罪を入れる必要があります。
ビジネスメールやビジネス文書を作成するにあたり、インターネット上の例文をそのまま流用することは避けましょう。内容によっては、断る理由と噛み合わず、例文の流用であることが相手に悟られてしまいます。そのため、お断りメールを送る際は、シーンに合わせた内容で、文章を作成することが大切です。
ここからは、シーン別のお断りメールの例文を紹介します。お断りメールに必須のフレーズや、マナーを守った文章を作成することで、相手との関係を良好に保つことができるでしょう。
3-1.取引を断る際の例文
商品販売などを行っている会社の場合、お客さんや他社から注文が入っていても、商品が品切れになっており、希望に応えられないことも少なくありません。
そのため、お客さんや他社に取引を断る際は、相手に不快な気持ちを与えないよう、丁寧にお詫びをすることが大切です。
お断りメールの例文
お世話になっております。『(社名・自分の名前)』でございます。
この度は、数ある品の中から弊社の製品をお選びいただき、誠に有難うございます。
今回ご依頼くださいました『(品名・プラン名など)』につきましては、品切れが続いており、ご希望に沿うことができません。弊社の製品にご期待いただいたにもかかわらず、大変申し訳ございません。
先日、『(報道媒体)』にて弊社製品が取り上げられたことをきっかけにご注文が殺到しており、生産ラインをフル稼働しても納品が追い付かないため、現状が落ち着くまでは、残念ながら新規注文を一律お断りすることとなりました。重ねてお詫び申し上げます。
生産ラインの見直し等、早急に改善を行ってまいりますので、今後とも何卒、変わらぬお付き合いをお願いいたします。
取引をお断りする際は、今後のお付き合いに大きく関わります。相手に冷たい印象を与えないように、丁寧な文章を心掛けましょう。
3-2.選考結果を伝える際の例文
採用試験を受けてくれた方に対し、選考の末お断りをすることとなった場合、お断りの理由ははっきりと伝えましょう。曖昧な言い回しをしてしまうと、相手に合格したかもしれないという誤解を与える可能性があります。そのため、選考結果をメールで伝える際は、お断りの内容を簡潔にまとめることが重要です。
お断りメールの例文
先日はお忙しい中、弊社の採用試験にお越しいただき、誠に有難うございます。
厳正なる選考の結果、誠に残念ではございますが、今回は採用を見送らせていただくこととなりました。 ご希望に添えず大変恐縮ですが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
末筆ながら、貴殿の今後のご活躍とご健勝を心よりお祈り申し上げます。
採用試験を受けた方の心情を汲み取り、相手に不満を残さないよう、簡潔で納得のできる文章を作成することがポイントです。
4.お断りメールへの返信の書き方
ビジネスを行う上で、相手にお断りメールを送ることもあれば、自分自身がお断りメールを受け取る側になることもあります。営業をかけた会社から断られたり、転職希望先から不採用の通知が届いたりするなど、必ずしも希望通りに物事が進むとは限りません。
相手からお断りのメールを受け取った場合は、以下の5つのポイントをおさえて、お断りに対する返信メールを送りましょう。
- 返信メールは早めに出す
- 検討してくれたことについてお礼を伝える
- 断られた内容について了承の意を伝える
- 無理なお願いをしたことについてお詫びする
- 今後とも変わらぬ良いお付き合いをお願いする
お断りメールへの返信は、即座に行うことがビジネスマナーの基本です。相手は、時間を割いて営業や選考結果などを検討したり、お断りメールを送ったりしてくれています。
そのため、相手が手間をかけてくれたことに対するお礼やお詫びメールに対しては、早めに返信しましょう。今後のお付き合いを改めてお願いをする場合、良好な関係を維持できるはずです。
まとめ
営業部等の所属部署に限らず、ビジネスの場面では、お断りメールを送ったり、受け取ったりする機会は多々あります。お断りメールを送る際は、相手を不快にさせないよう、丁寧で誠実であるところを見せることが大切です。お断りする旨を伝えるだけのでは、相手との誤解を生む可能性があるため、今後の付き合いに悪影響を及ぼしかねません。
また、お断りメールを受け取った際も同様に、依頼に対する検討やお断りメールに時間を割いてくれたことに対し、お礼やお詫びをしっかりと伝えることも重要です。気持ちの良いメールを送ることで、新しいビジネスチャンスを生み出すことができます。
当記事で紹介したお断りメール・返信メールの書き方と例文を参考に、誠実さの伝わるメールを送り、お互いに気持ちの良い関係を築きましょう。
また、ビジネスメール研修を実施することで個人もしくは社内全体のスキルを底上げするのも有効でしょう。
この記事の執筆者
久田敦史
株式会社ナレッジソサエティ 代表取締役
バーチャルオフィス・シェアオフィスを通して1人でも多くの方が起業・独立という夢を実現し、成功させるためのさまざまな支援をしていきたいと考えています。企業を経営していくことはつらい面もありますが、その先にある充実感は自分自身が経営をしていて実感します。その充実感を1人でも多くの方に味わっていただきたいと考えています。
2013年にジョインしたナレッジソサエティでは3年で通期の黒字化を達成。社内制度では週休4日制の正社員制度を導入するなどの常識にとらわれない経営を目指しています。一児のパパ。趣味は100キロウォーキングと下町の酒場めぐり。
【学歴】
筑波大学中退
ゴールデンゲート大学大学院卒業(Master of Accountancy)
【メディア掲載・セミナー登壇事例】
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