以前も一度取り上げたNFT。なんとなく「稼げる」や「次世代の中心になる」というキーワードは耳にしたことがあっても、実際どのようなことができるのか、どのような仕組みになっているのかはよくわからないという人も多いのではないでしょうか?
今回は今話題のNFTについてどのようにビジネスに利用されているのか実際の実例なども踏まえて解説していきます!
この記事を読めば、NFTについて知人に説明できるようになるかも?
目次
そもそもNFTって?
以前にこちらの記事でも紹介したので、簡単にNFTとはなにか?ということについて紹介します。
NFTとは、「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」のことです。「Non-Fungible Token」の略称で、日本語では「非代替性トークン」と訳されています。
暗号資産(仮想通貨)と同じく、ブロックチェーン上で発行および取引されています。今までは、デジタルデータは簡単にコピーすることができていました。みなさんのパソコンでもファイルを複製することは非常に簡単なことであると思います。そのため、現物の宝石や絵画な、資産価値がデジタルデータにあるとみなされるケースがかなり少なくなっていました。また、それを利用して、オリジナルのデータを改ざんしたり、悪意のあるコピーを作ったりすることも容易になっていました。しかし、NFTの登場によってコピーや改ざんがしにくいデジタルデータの作成が可能になりました。
簡単に一言でまとめるなら、「絵画のようなオリジナル一点物の販売をデジタルデータでも同じようにすることができるようになった。」ということです。
どのようなNFTでの実例がある?
このように最新の技術によって、デジタルデータのオリジナルも保証を付けて販売することができるようになったNFTという技術。それでは今までどのような取引が行われてきたのでしょうか?
Twitter上で初めてのツイート
Twitterの創業者として世界的に有名なジャック・ドーシー氏のツイートが、実に3億円を超える価格で落札されました。
ジャック・ドーシー氏がNFTで出品したのは、15年前に初投稿した自身のツイートです。ツイートは、「just setting up my twttr(たったいま、自分のツイッターをセットアップした)」と呟いたもの。このツイートの所有権をドーシー氏はオークションの競売にかけました。落札者は、このツイートについて、数年後にはモナ・リザと同じ価値になり得る。と発言したことからも大きな話題を呼びました。
この事例により、SNSもデジタル資産のひとつになり得ることを証明した形になります。
デジタルアート
NFTといえばデジタルアートの取引、と思われる方も多いのではないでしょうか?
その中でも、特に有名な取引となったのがBeepleのデジタルアートの取引でしょう。
2021年3月11日に落札されたこのアートは、6900万ドル(日本円で約75億円)で落札され、大きな話題を呼びました。デジタルアートが75億円で売れるとは、とても夢がありますよね。
日本でもデジタルアートをNFTで売買する動きはとても広がってきています。小学生が夏休みの自由研究で制作したアートが300万円で落札された、という事例もあります。今までは予想もしなかったような物にも、とても大きな価値が眠っている可能性がありますね。
ゲーム業界
最後に紹介する事例は、ゲーム業界に新たな風を吹き込んだCryptoGames株式会社の試みです。CryptoGames株式会社は、NFTブームに先駆けて2019年6月25日からNFT化したトレーニングカードの販売を開始しました。
その結果、CryptoSpells(クリプトスペルズ)は国内トップクラスのブロックチェーンゲームに成長しました。CryptoSpells(クリプトスペルズ)は人気が高く、獲得したトレーニングカードはユーザー同士で自由にトレードできる仕組みとなっています。
蒸留酒の樽も?
少し意外なNFTですが、日本の企業である「UniCask」がウイスキーや蒸留酒の樽の所有権をNFT化し販売を行っています。UniCaskが販売する蒸留酒の樽をNFT化したものの名称は、はCASK NFTという名前で取引されています。そのNFTに紐づく最初の樽は「Genesis Cask」とされ中身が100分割され、誰でも権利を購入することができようになっています。
CASK NFTの所有者は、この企業を利用して世界中のどこにいる場合でも、最上級のウイスキー樽を簡単に所有・収集・取引することができ、将来、樽がボトリングされた後、CASK NFTと瓶詰されたウイスキーを交換することができます。デジタルの新たな技術として、大きな脚光を浴びているNFTですが、このように蒸留酒の樽を取引するなどといった、実物の所有権にも、利用されています。
NFTはどこで売買できる?
このようなNFTを売買する場所は「マーケット」と呼ばれ、国内外で運営されているマーケットが多数あります。その中でもいくつかおすすめのマーケットをご紹介するので参考にしてみてください。
OpenSea
OpenSeaは世界最大のNFTマーケットで、世界中のアーティストや日本人も出品しています。
誰でもアカウント登録・出品・購入することができ、使いやすいのが特徴です。
公開されたのは2017年12月と歴史があり、2021年の流通額は約3,650億円と巨大なマーケットを築いています。月間アクティブユーザー数は約22万人、出品数は400万点を超えています。
Rarible(ラリブル)
Rarible(ラリブル)はアメリカのRarible社が開発したNFTマーケットプレイスで、RARIという独自トークンを発行して運営されています。
2020年とOpenSeaより3年遅く公開されましたが、非常に人気の高いプラットフォームです。Rarible(ラリブル)でNFTを売買することで、その対価としてユーザーはRARIを受け取れます。具体的には、総発効枚数の60%分がユーザーへのインセンティブとして配布されます。
上記でご紹介したNFTマーケット『OpenSea』と『ラリブル』は、両方とも日本円での決済には対応していません。ですので、NFTコンテンツを購入する際は、仮想通貨取引所への登録が必須です。
この他にも国内外でたくさんの仮想通貨取引所が存在しているので、自分が使いやすいと思ったサービスで取引をしてみると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?NFTって名前は聞いたことがあってもなかなか実際にはどのように利用されてきたかわからない。実際に自分が売る側になるとして、どのようなものを売ることができるのかわからない。などと思っていた方も、少しずつイメージができたのではないでしょうか?
ツイートの所有権や、樽の所有権など、思わぬNFTも数多く存在していて、ニュースを見ているだけでも面白いですね!それだけではなく実際に取引を行い、NFTを所有したり資産として持ち続けるのも更に面白いでしょう。
これからの時代ますます影響力を高めていくとされているNFT。上手く利用することで今まで価値がないと思っていたものでさえ大金になり得る可能性を秘めています。これからも目を離さずにチェックしていきます。
この記事の執筆者
片島聖矢
ELPIS Inc, 代表
日本大学芸術学部写真学科在学中の片島聖矢と申します。
高校生時代からマネジメントやデザインなど、様々な分野に興味を持ち、制作活動などを行ってきました。
高校生時代には、広島県主催の広島創生イノベーションスクールに参加し、リーダーとしてマネジメントも経験させていただきました。そこから現在は起業し、デザイン、写真撮影、動画撮影・編集など幅広くクリエイティブな事をさせていただいております。
若さを活かし、現役大学生ならではの視点で情報をお届けしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。