近年、学生起業家が増えてきました。学業のかたわら起業した学生が、大成功を収めて数十億円の資産を築いた人もいます。SNSの普及により学生起業家のコミュニティーも盛んで、オンラインサロンなどの活動も盛り上がりを見せています。学生起業の方法やリスクも含めて、近年の学生起業に対する動向を見ていきましょう。
目次
学生起業、起業意識の変化
ここ最近、学生起業家が増えている背景のひとつに「コストをかけずに起業できる」という面が見受けられます。
特にIT関連に強い学生たちは、パソコンやスマホで利益を生み出すビジネスを展開させることが得意です。多額の資金が調達できなくても、学生ならではの柔軟な発想でコスト面をカバーできることが増えてきたのも要因です。
「アルバイトで稼いだお金をある程度貯めて準備しておく」「クラウドファンディングで支援を受ける」「協力者を募って資金を出し合う」「SNSでサポートを呼びかける」などの工夫で、必要最低限の資金を調達できる傾向にあります。
場所や在庫などにとらわれず、ネットさえあればビジネス展開ができることも、学生起業家が増えている要因でしょう。これらのことから、昔に比べると学生にとって「起業」のハードルが下がっているのがわかります。
趣味や好きなこと、自分が発信する情報がそのままビジネスにつながることもあります。学生にとって進学、就職と同じように、進路の一つに起業という選択肢を選べるようになった時代なのです。
大学生だけじゃない!中高生にも起業の可能性
プログラミング、IT知識が教育事業に組み込まれるようになったことから、中高生にも期待がかかっています。
中高生たちの柔軟な発想と技術力を伸ばそうと、IT教育スクールなどが徐々に増えて、国内だけでなく海外の同年代との交流も盛んになっています。
こういったスクールや交流会でビジネスアイデアコンテストや発表会を開催し、それぞれの可能性を刺激、共有しあい、そのまま起業する学生もいます。実際に中高生が開発したビジネスモデルを企業が実施するケースもあります。
中高生たちは遊ぶ感覚で取り組むので、飲み込みも技術力の向上も早いです。若い世代の自由な発想やひらめきが、社会をより良くするビジネスの一端を担っているといっても過言ではないでしょう。
リスクの少ない学生起業
そして、学生起業のメリットはローリスクハイリターンにあります。リスクがとても少ないのに、得られるものは大きいのが魅力です。学業が本文の学生は、生活全体を保護者に支えてもらっている場合がほとんどで、たとえ失敗しても失うものはそんなにありません。
【学生起業のメリット】
・生活の心配がない(給料がなくても問題ない)
・社会人よりも時間が取れる
・失敗してもライフプランの修正がしやすい
・社会経験の役に立つ
給料(報酬)がなくても生活費の心配がない上、社会人よりも時間が取れる分、たっぷり自分のビジネスに時間をかけられます。失敗したり、途中で計画が頓挫しても取り組んだこと自体が資産となり、社会に出るときに役立つ経験となるでしょう。
生活が保障されている間に起業家として成功すれば言うことはありません。起業やビジネスに詳しくなくても、社会経験がなくても、学生起業はチャレンジしがいがあると思います。
学生起業の方法
具体的な学生起業の方法ですが、いくつかポイントがあります。
・やりたいこと、好きなことをどうマネタイズするか考える
・上記を考えたうえで、成功しそうなことに着目する
・プログラミングやデザインなど、Webサービスを内製化するための知識を蓄える
・ユーザーが求めるサービスを展開し、支出を収入より少なくする
この4つのポイントは当たり前のようでいて、大切なポイントです。学生起業を着実に展開させるには、上記4つのポイントを常に意識しながら行動に移すことが重要です。学生としての良さを最大に生かすためにも、これらの下準備を行うことは必須と言えます。
学生起業は決して難しいものではありません。ですが、何となく始めても好ましい発展は決して望めません。自分が好きなモノやコトを、どのようにビジネスにすればユーザーから支持されるものになるのか、収益を上げることができるようになるのか、まずは考えて、そして行動することが学生起業家への第一歩です。
チャレンジも失敗も全てが「成功」につながる
学生起業は難しいものではありませんが、それが成功するかどうかはわかりません。思うようにいかなかったり、悩むことが増えてしんどい思いをするなど、起業することで苦労を味わうことも多いでしょう。失敗して、少々の痛手を負うかもしれません。
しかし、先に述べたように学生起業はローリスクでハイリターンの可能性が十分にあります。少々の失敗や知らない世界に飛び込むことを恐れず、挑戦してみましょう。
起業に失敗したとしても、今後の自分の人生を豊かにする糧になることは間違いありません。学生時代に起業にチャレンジすることは、全てが「学び」となります。長い人生を考えたとき、たとえ失敗したとしても、その失敗こそが「成功」への足がかりとなります。
起業したビジネスを一生やり続ける必要もありません。経験したことが進学や就職活動にプラスになり、自分の希望進路へ進む可能性も広がります。
自分の未来を広げるためにも、学生起業を考えてみてはいかがでしょう。
この記事の執筆者
久田敦史
株式会社ナレッジソサエティ 代表取締役
バーチャルオフィス・シェアオフィスを通して1人でも多くの方が起業・独立という夢を実現し、成功させるためのさまざまな支援をしていきたいと考えています。企業を経営していくことはつらい面もありますが、その先にある充実感は自分自身が経営をしていて実感します。その充実感を1人でも多くの方に味わっていただきたいと考えています。
2013年にジョインしたナレッジソサエティでは3年で通期の黒字化を達成。社内制度では週休4日制の正社員制度を導入するなどの常識にとらわれない経営を目指しています。一児のパパ。趣味は100キロウォーキングと下町の酒場めぐり。
【学歴】
筑波大学中退
ゴールデンゲート大学大学院卒業(Master of Accountancy)
【メディア掲載・セミナー登壇事例】
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