事業のスタートまでのリードタイム
コスト面のメリットに目が向きがちなシェアオフィスの利用ですが、もう一つ大きなメリットとしてあげられるのが事業開始までのリードタイムの短さがあげられます。
このメリットは万人にとってのメリットとは言えないかもしれませんが、起業を志し、そのまま華やかにビジネス界にデビューをしてスターダムにのし上がっていくような夢物語は、そう簡単には達成することは出来ません。
半面、起業をしてみたものの当初の目論見通りには物事が進まず、営業のうまくいかないことを繰り返すうちに苦手意識が芽生え、毎日何をやっているのかわからない状況に陥る起業家の数も決して少なくはありません。そしてそのような起業家は、一日一タスクを完了すれば達成感を味わってしまうような人であるケースも多く、これは例えば「今日は税理士と話をして今後の方針のめどをつける」というタスクを終わらせたら、「今日は頑張った!」となってしまうのです。
そんなことあるわけないでしょう、と思った方は、何も間違っていませんので物事を自分で判断し、自分の信じる道を進んでください。
一方で、もしも「ああ・・・わかるなぁ、その気持ち」と思った方がいらっしゃった場合、しかもそれでも自分自身で起業を目指したいと思っている方がいらっしゃったら、本投稿の内容に少し耳を傾けていただいた方が良いかもしれません。
賃貸オフィスをビジネスに利用するまでには数ヶ月かかる
賃貸オフィスを借り手事業を始めようと考えている場合、おおよそ下記のようなプロセスになるかと思いますが、これらは当たり前ですが全ての事業開始準備と同時並行で行われることになります。
- 物件リサーチ
- 契約
- 内装業者選定
- 工事
- 物品選定
- 電話回線
- ネット回線
- 水道・電気・ガス開通
ここから言えることは賃貸オフィスを借りるだけでは、事業をスタートさせることはできないということです。
物件を選ぶにしても予算が十分ではない場合は尚更選択肢は限られてしまい、その中でもとりあえず気に入った物件を見てもなかなか希望に合わない、ということを2回3回と繰り返すことになります。
一日ですべてを見て回れれば良いですが、調整がつかない場合には何日間にもわたって物件の内覧をする必要が発生するわけです。
そんな中でやっと物件の契約を行った時点でできることは、オフィスへのカギをもらえることだけで、ここから内装などの工事を経てオフィスを事業に耐えうるものにしていくということになります。
したがって事業をスタートさせるのに数ヶ月はかかってしまうということになるわけですが、事業のスタートに数か月かかってしまうということはそれだけ売上が立たない、つまりただお金が出ていくという状態になります。これは起業時の資金が潤沢ではない時にはかなりの負担になります。
そのような精神的な負担に耐えながら、事業の準備や営業資料の整理なども行っていくにはそれ相応のタスクマネジメント能力が必要になります。
将来がある程度約束されている中でプレッシャーとはまた一味異なるプレッシャーと日々戦いながらの生活になるわけですが、前述をしたように人間は不安な状況になればなるほど、うまくいかなければいかないほど、本能的に自己防衛的な考え方を行うようです。
これが結果的には、一つのタスクを完了しただけで発生する「今日は頑張った!」という自己肯定の感情につながるわけです。
シェアオフィスならすぐに事業開始可能
シェアオフィスならばビジネスのスタートを圧倒的に早めることができます。
冒頭で申し上げた通り、事業への開始時間の短縮は万人に必要なポイントではない点は繰り返しの言及になりますが、多少なりともその魅力を感じることができるような人は、その時点で少なからず自分自身の弱点を認識することができている自己認知力が高い方でもあるというわけで、その弱みの対策としてシェアオフィスを利用することによる事業開始までのリードタイムをなくす=迷う時間などないように自分自身を半強制的に律するメリットをとる、ということにほかなりません。
シェアオフィスの場合は数日から1週間、早いところでは当日のドロップイン利用が可能なところもあります。極端でもなんでもなく、思い立ったその日から起業できるわけでして、兎にも角にもシェアオフィスからスタートをすることをお勧めするつもりはありませんが、どのような起業スタイルが良いか、どのような事業展開がより良いのか?といった質問へ迷いなく答えることができない人であればあるほど、シェアオフィスからのスタートが結果的にはより良い選択となるであろうと考えております。
ビジネスはどんなよいアイデアを持っていても、それをいち早くローンチさせて実現に移さないと全く意味がありません。「あの会社のビジネスモデルを自分も考えていたんだよ」と後から言っても意味はありませんし、大手企業からあとから参入してきて資本力でマーケットを奪われるということもあります。
シェアオフィスはそういうスタートアップの起業家が事業開始スピードを最速に持っていくために大きなメリットがあると言えます。
この記事の執筆者
久田敦史
株式会社ナレッジソサエティ 代表取締役
バーチャルオフィス・シェアオフィスを通して1人でも多くの方が起業・独立という夢を実現し、成功させるためのさまざまな支援をしていきたいと考えています。企業を経営していくことはつらい面もありますが、その先にある充実感は自分自身が経営をしていて実感します。その充実感を1人でも多くの方に味わっていただきたいと考えています。
2013年にジョインしたナレッジソサエティでは3年で通期の黒字化を達成。社内制度では週休4日制の正社員制度を導入するなどの常識にとらわれない経営を目指しています。一児のパパ。趣味は100キロウォーキングと下町の酒場めぐり。
【学歴】
筑波大学中退
ゴールデンゲート大学大学院卒業(Master of Accountancy)
【メディア掲載・セミナー登壇事例】
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