本記事では主に従業員数20名以上を対象に発行される「コーポレートカード」について、特徴から審査まで幅広く解説しています。
コーポレートカードはほかの法人カードと異なり、支払い方法によって審査対象が変わるため、作成を検討されている方は事前によくご確認ください。
※小規模企業・個人事業主向けカードの審査について知りたい方は、下記の記事で解説しています。
本記事は法人代表者や企業の経理担当者向けに書かれています。
>>コーポレートカードに申し込む社員の方はこちら(ページ内で移動します)をご覧ください。
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法人カードの種類を紹介
まずは、法人が使える代表的なカードとその役割を簡単に確認してみましょう。
- 法人カード:事業用クレジットカードの総称
- ビジネスカード:個人事業主や中小企業を対象としたカード(法人カードと同じ意味で使うことが多い)
- コーポレートカード:大企業を対象としたカード←本記事で解説
- パーチェシングカード:大企業を対象とした経費管理用カード
本記事では冒頭で触れたように、コーポレートカードの解説をメインに行います。
コーポレートカードとは?
コーポレートカードは一般的に「大企業で使用する法人向けクレジットカード」として認識されています。
具体的な定義は様々ですが、三井住友カードでは使用者数の目安を20名以上としています。
法人カード(ビジネスカード)とコーポレートカードの違い
法人カード(ビジネスカード)との最大の違いは「対象企業の規模」です。
一般的な法人カードは個人事業主や社員数5人程度の小規模な企業を対象にしています。
実際、多くの法人カードでは、社員にもたせる追加カードは4枚までしか発行できません。
多くの社員に会社用クレジットカードを持たせたい場合、選択肢はほぼコーポレートカードに絞られます。
※似たようなカードにパーチェスカードがありますが、こちらはカードの利用目的が制限されるなど通常のクレジットカードとは少し異なります。
▼コーポレートカードなら社名を入れることも可能(三井住友カードの例)
コーポレートカードの支払い方法
コーポレートカードは「支払い方法」により2種類に分けられます。
この種類の違いにより、審査内容や利用の範囲(私的利用はOKか)などが大きく異なります。
※各項目については後ほど詳しく解説します。
※スマホの方は表を左右にスクロールできます
会社一括決済型 | 個人決済型 | |
---|---|---|
特徴 | 利用額はすべて法人口座から引き落とされる | 利用額はすべて従業員個人の口座から引き落とされる |
私的利用 | 原則、禁止 | 社則にもよるが、問題ないケースが多い |
※本記事では以後、会社一括決済型を「会社一括型」、個人決済型を「個人型」と記載します。
どちらのタイプのカードかは申込書を見て判断してください。
あなたの名義の口座を申込書に記入する場合、そのカードは個人型です。
個人型カードには福利厚生の一面もある
コーポレートカードの年会費は基本的に企業が負担しています。
そのため、福利厚生の一環として個人型コーポレートカードを従業員に配布する企業も多いです。
社則にもよりますが、そういった企業ではコーポレートカードを使った私的な買い物やカード特典の利用が幅広く認められています。
カードの特典に海外旅行保険や空港ラウンジがついていれば、プライベートの旅行でも大活躍しそうですね。
コーポレートカードのメリット・デメリット
コーポレートカードも基本的な法人カードのメリット(経理精算の負担を軽減させる、キャッシュフローが改善するなど)は得られます。
その上で、コーポレートカードがもつ独自のメリット・デメリットをまとめてみました。
コーポレートカードは、ビジネスカードと比べ還元率や特典で劣ることが多いです。
しかし、大企業で多くの社員に「クレジットカード」を持たせたい場合、その希望を叶えられるのはコーポレートカードのみです。
コーポレートカードの審査について
ここからはコーポレートカードの審査について解説していきます。
コーポレートカードは支払い方法によって、審査対象者が異なります。
こういったカードは非常に特殊ですので、事前によくご確認ください。
支払い方法によって審査が異なる
コーポレートカードは「会社一括型」か「個人型」かで審査対象者が異なります。
※スマホの方は表を左右にスクロールできます
会社一括決済型 | 個人決済型 | |
---|---|---|
特徴 | 利用額はすべて法人口座から引き落とされる | 利用額はすべて従業員個人の口座から引き落とされる |
審査対象 | 会社(事業歴などが見られる) | 個人(勤続年数や個人信用情報が見られる) |
個人信用情報の確認 | なし | あり |
上記の通り、会社一括型は会社が全カードの支払いを行うため、審査対象は「法人本体」となります。
詳細は公表されていませんが、主に財務状況や事業内容が審査対象となるでしょう。
個人型の場合は、審査対象が「従業員個人」となります。
プライベートで利用するクレジットカードと同じような審査を受けますが、コーポレートカードでは勤続年数などの項目が重視されると言われています。
個人信用情報は確認される?
個人信用情報は別名クレヒスとも呼ばれ、「クレジットカードやローンの利用・申込情報」や「支払い遅延」が記録されています。
先ほど、表で紹介した通り会社一括型では個人信用情報は確認されません。
逆に個人型の場合は、個人でもつクレジットカードと同様に従業員一人ひとりの個人信用情報が確認されます。
個人型は従業員個人ごとに審査されるため、審査落ちする従業員が出てくる可能性があります。
審査を通しやすくするには?
一般的には、従業員個人の情報を確認する個人型より、法人が審査対象となる「会社一括型」の方が審査に通りやすいとされています。
従業員が新たにカードを作るときも、会社一括型なら必要な従業員にカードを配布しやすいです。
実際に、UCカードの「よくある質問」には以下のような記載があります。
UCカードでは会社一括型(下記では会社主債務型と記載)なら、指定する全従業員にカードを配布できると明記しています。
Q:UCコーポレートカードは全ての従業員に発行できますか。
A:
【個人主債務型】
従業員様個人を審査させていただきますので、ご希望に添えない場合もございます。【会社主債務型】
法人様がご指定される従業員様すべてに発行可能です。
コーポレートカードの審査に社員が落ちた!どうしたらいい?
コーポレートカードの審査に落ちる社員が出てきてしまったときの対策を紹介します。
コーポレートカードのようなキャッシュレス手段は、社員全員が持ってこそメリットを発揮します。
社員全員が何かしらのキャッシュレス決済手段が持てるよう、コーポレートカードの代用になるカードを紹介します。
コーポレートカードの代用なら法人プリペイドカードがおすすめ
審査に落ちた社員に持たせるカードには「プリペイドカード」がおすすめです。
コーポレートカード(クレジットカード)とは、利用額の支払いタイミングが異なります。
利用金額を1ヶ月ごとに集計して後払い
事前にチャージした金額が利用できる
プリペイドカードは事前チャージ制のため、カード会社に貸し倒れのリスクがなく審査なしで発行してもらえます。
カードを持たせたい社員の個人信用情報(=クレヒス)は一切見られません。
事前チャージ制という以外はクレジットカードとほぼ使用感は同じです。
プリペイドカードを導入すれば、社内全員にキャッシュレス手段を持たせられ、社内の経費精算を一気に楽にできます。
Bizプリカ:1枚110円の法人プリペイドカード
Bizプリカは、企業の小口現金・立替払いの最効率化を目指した新しい法人プリペイドカードです。
先ほど説明した通り、Bizプリカはプリペイドカード式なので与信審査なしで全スタッフに発行できます。
カード管理者により、各カードの限度額を変更できるため柔軟な運用が可能です。
費用は1枚月額110円と格安で、チャージやチャージした金額の回収には手数料が一切かからないのもメリットです。
公式サイト【社員向け】コーポレートカードの審査が不安な方へ
「会社からコーポレートカードに申し込むように言われたけど審査が不安…」このような方も多いかと思います。
この章では「社員目線」でコーポレートカード申し込みや審査について解説します。
※法人代表者や経理担当者の方は読み飛ばして頂いて大丈夫です。
まずは申し込むコーポレートカードの種類を把握しよう
コーポレートカードの審査は、支払い方法により異なります。
審査に不安がある方は、まず自分が申し込むカードのパターンを調べてください。
誰がカードの利用代金を支払うかが大きな違いです。
申込書に自分の口座番号などを記入する場合は、「個人型」である可能性が高いです。
個人型だとブラック状態の人は厳しいかも…
クレジットカードの審査では「契約者に支払い能力があるか」を見ます。
会社一括型の場合、支払いは会社が行うため個人の支払い能力は確認されません。
しかし、個人型の場合は会社で申し込むカードであっても「個人の支払い能力」が審査されます。
直近でローンやクレジットカードの支払い遅延を起こしている方(=いわゆるブラック状態)は、審査に通らない可能性があります。
コーポレートカードの審査に落ちたら会社に知られる?
会社側の要請で申し込むカードですので、残念ながら審査落ちは会社に知られてしまいます。
審査落ちが知られる範囲は会社により異なりますが、コーポレートカードの申し込みを取り仕切っている「総務」や「経理」には知られる可能性が高いでしょう。
カードが発行されない場合、別の方法で経理精算を行う必要があります。
審査落ちの連絡を受けたら、カード以外の経理精算方法を担当部署に確認しておきましょう。
個人でできるコーポレートカード審査への対策
会社からコーポレートカード作成の案内を受けた時点でできる対策はあまりありません。
できる対策と言えば、借入金がある方は無理のない範囲で借入金を減らしておくくらいです。※
※ここで言う借入金は、消費者金融などのキャッシングを指し、住宅ローンや奨学金は含みませんのでご安心ください。
コーポレートカードに関するよくある質問(FAQ)
コーポレートカードに関するよくある質問をまとめました。
コーポレートカードは使い方によっては、会社と従業員の間でトラブルを招く可能性があるため、ぜひ事前に本質問に目を通しておいてください。
Q1:コーポレートカードは私的利用していい?
A:コーポレートカードの「支払い方法」と「社内規定」を確認してください。
本記事でも紹介しているように、コーポレートカードには「会社一括型」と「個人型」の2種類があります。
会社一括型の場合
カードの利用額をすべて会社が支払うため、業務に関係のない私的利用は基本的に厳禁です。
業務に関係のない私的利用=会社経費の不正利用と見なされる可能性が高いです。
うっかり会社カードを私的利用してしまったときは、速やかに上司や関係部署に報告・相談するようにしましょう。
実際、筆者の周囲の会社でも社員によるコーポレートカードの私的利用の話を聞きます。
悪質なケースで降格や退職になる例もあるため、会社一括型での私的利用は絶対に避けてください。
個人型の場合
カードの利用額はすべて社員個人の口座から支払われます。
そのため、私的利用OKとなっている会社も多いです。
個人型のカードは、会社の経理精算を楽にするだけでなく、福利厚生の一環として社員に配布されるケースもあります。
※上記はあくまで一例です。最終的な判断は社内規定や上司の指示にしたがってください。
Q2:コーポレートカードのポイントやマイルは勝手に使っていいの?
A:こちらも社内規定に従ってください。
ポイントやマイルに関する法的なルールはありませんが、トラブルを避けるためにも勝手に利用せず、上司などに事前確認をとるといいでしょう。
ただし、コーポレートカードはポイント還元がないもの、ポイント分が自動で請求額から引かれるものなどが多く、ポイントで困るシーンは少ないはずです。
【おまけ】法人カードのポイントやマイルは誰のもの?
マイルの場合、JALもANAも利用規約でマイルは個人に付与すると明記されています。
とはいえ、一般的にはマイルの使い道はカード契約者(=法人代表)が決めると考えるのが自然でしょう。
個人に付与されるとはいえ、社会的には会社の指示に従うべきです。
社内ルールを無視して勝手に使った場合は横領になる可能性もあります。
まとめ:コーポレートカードは支払い方法によって審査が異なる
コーポレートカードは従業員20名以上を想定した大企業向けの法人カードです。
支払い方法には「会社一括型」と「個人型」の2種類があり、それぞれの方法で審査対象が異なります。
これからコーポレートカードを導入する企業では、全員にカードを持たせやすい「会社一括型」がいいでしょう。
また、もしコーポレートカードの審査に落ちる社員が出てきたときは、プリペイドカードの導入を検討してみてください。
従業員がコーポレートカードの審査に通るか不安な方にはプリペイド型法人カード「Bizプリカ」をおすすめします!
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